鞍上が促してからが素早かった。栗東坂路のラスト1F。福永の合図に呼応し、
リアルスティールが一気に加速する。先行する
キョウエイインドラ(3歳500万下)にインから並び、馬なりのままかわし去る。尻上がりにラップを推移させ、鮮やかに突き抜けた。
4F53秒1-38秒9-12秒5のタイムで0秒8先着。「やり過ぎないようにという指示だった。思ったよりも速くなったけど、負荷をかけるという意味ではイメージ通り」と福永はうなずく。「(
皐月賞の)
トライアルの段階であまり良くなり過ぎても困るしね。馬はしっかりしてきているよ」と、仕上げのさじ加減に狂いはない。
新馬戦を3馬身半差で完勝し、続く
共同通信杯を史上初めてキャリア1戦の身でV。矢作師には、この
ディープインパクト産駒が秘める能力が天井知らずと映っている。「前走の時点では、完成形の六分から七分だと言っていた。でも、今は何分なのかが分からなくなったよ。“10”がどこにあるのか分からなくなった」と表現。「当初は(本格化が)秋かと思っていたが、成長曲線が思ったよりも急になっている。一日一日、成長しているのがよく感じ取れる」。だからこそ、期待はどんどん膨らんでいく。
「今回もいい経験を積んでほしい。結果はついてくると思う」と話すトレーナーの表情には、自信と余裕がにじみ出ている。無傷の3連勝を決めて、本番へ王手をかける構えだ。
提供:デイリースポーツ