13日、
桜花賞を優勝した
レッツゴードンキは栗東の自厩舎で過ごした。
「幸い、レース後も目立った疲れは見せていません。いつもの追い切りの後くらいのダメージです」と梅田師。その通り、元気そうな様子でカイバを食べていた。
桜花賞のパドックで岩田騎手とは「他馬の様子を見ながら、馬の後につけていこう」と話していたそうだ。だが、いざゲートが開くと鞍上の多くは引っ張っており積極的に行く馬がいない。その上、
レッツゴードンキ自身はハミを取ってしまった。
そこで岩田騎手はスッとハナに立った。「あそこで前にいったのは岩田騎手の好判断。彼らしい騎乗だと思いましたね」
その後、レースはスローペースで進み、3コーナーを過ぎても誰も迫ってこない。「3コーナー過ぎで勝ったか? と思いました。直線でドンキが追い出してからは後ろの馬ばかり見ていましたね。どれだけ後ろの馬が伸びるのか、どれだけドンキが引き離すのか。そんな気持ちでした」
次走には「NHKマイルと
オークス、どちらにするかオーナーと相談して決めます」とのことだ。
これまで善戦はすれども勝ち切れなかった
レッツゴードンキ。カイバ食いに不安のあった
チューリップ賞にくらべると、今回は状態にはかなりの自信をもっていた。
「一度叩かれたこともありカイバ食いもよく、調教では積極的に攻めることができた。状態には自信があったので、あとは運が必要だと思っていました」
運といえば、昨年遠征先の
オーストラリアで急死した
アドマイヤラクティを思い出す。
コーフィールドCを勝って厩舎に初GIをもたらした後、
メルボルンCのレース直後に亡くなった。“こういうこともあるのか”と思えるほど極まりない悲運に巻き込まれた
ラクティ。辛いことは忘れて発散するのも一手。しかし、梅田師をはじめ、陣営は
ラクティのことを常に忘れず「
ラクティの活躍に恥じないように頑張ってきた」のだ。
そんな梅田厩舎に勝利の女神は微笑んだ。「星になった
ラクティも見ていてくれたと思います。これからも厩舎一丸となって頑張っていきますのでよろしくお願いします」
(取材・文・写真:花岡貴子)