第75回
皐月賞に出走する
ブライトエンブレム(牡3・美浦・
小島茂之)を管理する
小島茂之調教師と
田辺裕信騎手の記者会見が、4月15日(水)に、美浦トレーニングセンターで行われた。
小島茂之調教師。
「前走の
弥生賞(2着)の時にある程度状態は良かったので、それに若干上積みがあるか平行線でも良いなと思っていましたから、先週の追い切りは折り合い重視でした。少し馬場が悪かったのですが、しっかり最後まで追ってその動きも息も良かったです。その後、昨日までの体の感じも良いので、もう何もいらないなという感じですね。
先週末までにだいたい仕上がっていましたので、今週は田辺ジョッキーに感触を確かめてもらうくらいで良いなと思いました。併せ馬の真ん中に入れるか内に入れるか、田辺ジョッキーと相談しましたが、後ろから追いかけて内側に入れるので良いだろうということになりました。田辺騎手も『何もしていません、良いですね』と言ってくれましたので、良かったと思います。本当に順調に来てくれたので、ありがたいなと思います。
(前走から中5週については)馬によって違うと思うのですが、
ブライトエンブレムにとっては5週あいたのはとてもやりやすかったように思います。一旦放牧に出してスイッチをオフにすることもできました。戻ってきた当初は、若干輸送が苦手な影響もあって少し細く見えたのですが、その後の回復も早かったので、そういう意味では5週あいたのはやりやすかったですし、逆にじっくり考えられたなと思います。
(この馬を初めて見た時の第一印象は?)当時はまだ調教も始めていなかったので、今よりポッテリした体をしていました。あと目付きがきつくて、
ネオユニヴァースと
ウォーエンブレムの肌なので、それなりに自己主張をしてくるだろうと覚悟をしておかなければと思いました。ただ育成牧場さんがとても丁寧にやってくれていますし、本当に扱いやすくて、これだけ我慢する子もなかなかいないというくらい落ち着いてくれています。
クラシックを狙えるかどうかは別として、新馬の前は初戦からという感じの状態ではなかったのに、非常に強い勝ち方をしてくれました。その時点で血統も血統ですし、ある程度上を目指していかなければと思いました。その後の
札幌2歳Sを勝って余計に責任を感じるような立場になったと思いますね。過去に何頭か牡馬、牝馬ともクラシックに出させて頂いたのですが、この馬のように早いうちから活躍して、早いうちからクラシックを意識した馬は初めてです。まして自分の厩舎ゆかりの血統の馬で臨めるのは幸せだなと思います。
(枠順、馬場状態について)ジョッキーは思うことはあるかもしれないですけど、我々はどちらかというとそういう面に関しては受け身です。できる努力はしてきましたので、あとは運に任せるだけです。
ブライトエンブレムは会員さんがいたり、ファンの方がいたりと、出走馬の中でも多くの人に応援してもらっている馬だと思います。結果が残せるような良い状態にできたと思いますので、我々も楽しみにしていますし、皆さんに応援して頂いて、一緒に良い
皐月賞を迎えられたらなと思っています」
田辺裕信騎手。
「(最終追い切りを終えて)至って順調だなと感じました。厩舎の方で結構仕上げてもらっているので今日はサラッとやりましたが、思ったより軽い動きをしてくれましたので安心しました。元々調教は動かない馬だったので、普通に追い切りをこなしてくれるのはとても進歩だと思いますし、やはり大きなところで走っていますので、馬もドシッとしていてさすがだなと思います。
(前走で中山2000mを走った感触は?)初めての2000mということもあったので、折り合いを考えて馬のリズムを崩さないようにレースをしたのですが、
朝日杯FS(7着)の時に負けたような競馬ではなく、自分で他の馬を負かしに行く競馬ができたので、それは収穫でした。ここに向けて良い感じで、前走を終えたのではないかと思います。
この馬のリズムを大事にするのが重要ですが、強い馬もいるのでその馬の動きを見ながら、できれば封じていくようなレースをしたいです。チャンスが毎年来るわけではないので、有力馬に乗せて頂けるのはとてもありがたいことですし、積極的に結果にこだわった競馬をしたいと思います。新馬からずっとこの馬に乗せてもらって、癖など1番わかっているつもりです。相手は強いですが、この馬も他の馬に負けない武器を持っていると思いますので、頑張ります」
(取材・写真:佐々木祥恵)