大きなアクションはなかった。だが、無敗での戴冠に挑む
サトノクラウンは、しっかりとしたフットワークで美浦Wを駆け抜け、陣営の掲げた課題も見事にクリアしてみせた。
ルメールとの初コンタクト。気合を表に出してダートを約半周した後に、
インターバルを取って臨んだ最終リハは直線で抜け出してからの集中力の確認だった。
クリーミーボイス(3歳未勝利)を2馬身追いかける形でスタートすると、徐々に差を詰めて直線へ。鞍上が内に馬体を誘うと、楽な手応えのままあっさりかわし去る。1頭になってからも遊ぶことなく脚取りも確かに、4F55秒0-40秒1-12秒3でゴール板を駆け抜けた。
「グッドだね。馬がうれしがっていたよ」と笑顔で振り返った鞍上は「印象通り。
バランスも完璧だったし、最後の反応も良かった。ハイクオリティな馬だね」と称賛の言葉を並べる。見届けた堀師も「前走は抜け出してからソラを使ったので、きょうはしっかりと修正したかった。抜け出してからのアクションは良かったね」と満足そうにうなずいた。
その前走の弥生賞は3カ月半ぶりの実戦ながら、本番と同じ舞台で完勝。デビューからきれいに白星を3つそろえた。一度使っての上積みも十分。枠順も5枠(8)番の好枠を引いた。「ここまでは青写真通り。ジョッキーともうまくコミュニケーションが取れていたようだし、枠順も特に注文はなかった」と指揮官はドッシリ構える。
「多分1番人気になると思うけど、日曜日は競馬場に来てください。頑張ります!」とルメールは自身の
JRA初クラシックVに腕をぶす。05年
ディープインパクト以来の無敗Vへ、一点の曇りもない。
提供:デイリースポーツ