ヴィクトリアマイル(GI・芝1600m)に向けて、5月13日(水)に追い切りを行った美浦所属各馬について、関係者に取材した。
スイートサルサ(牝5・美浦・
菊川正達)について、
菊川正達調教師。
「ベストの条件となる
ヴィクトリアマイルは、使いたくて仕方ないレースでした。前走前までは賞金が足りなかったので、前走の
福島牝馬S(GIII・1着)は何とか勝ちたいと思っていました。
中山牝馬Sを取り消した不安はありませんでしたが、前走はギリギリ間に合ったという感じで、走れる態勢にはありましたが、まだ完調ではありませんでした。その状態で結果を出せたのは評価できると思います。
今回は体に張りが出てきて、使った上積みは確実にあります。中2週になりますし、牝馬ですから疲れを残さないように、今日は単走で追い切りました。オーバーワークならずに予定通りの調整ができました。気持ちで走るタイプですし、いつでもいける態勢になっています。今回も末脚を生かす競馬をと思います」
ケイアイエレガント(牝6・美浦・尾形充弘)について、尾形充弘調教師。
「前走の
京都牝馬S(GIII・1着)はあまり人気もなかったですし、他の馬もさほど来なかったので、良いペースでレースを進められました。ジョッキー(
内田博幸騎手)が思い切った競馬をしてくれましたね。その後、
中山牝馬Sを使う予定でしたが、追い切りで脚を捻挫してしまい、回避しました。使えなかったのは誤算でしたが、その分ここを目標にじっくり調教を積んできました。捻挫の方も今は問題ありません。
今日は重い馬場でしたが、しっかり動けていて合格点がつけられる追い切りでした。ベストのパフォーマンスができる状態だと思います。東京のマイル戦は最初の2、3ハロンのラップで決まると思いますし、流れにくいところもありますので、主導権を取れるようならそうするつもりです。この後、ジョッキーとも相談をします。最後に捕まりかけてから、また頑張るしぶといところがこの馬のセールスポイントですし、ラスト1ハロンまで勝負に参加できる位置にいられればと思います」
アルマディヴァン(牝5・美浦・
高橋文雅)について、
高橋文雅調教師。
「ここ2戦、合わない条件である程度結果を出していますので、全体的にスキルアップしていると思いますし、競馬も上手になっています。特に前走の
福島牝馬S(6着)は外を回らされて、直線で内から寄られる不利もありました。そこからもうひと伸びしてくれましたから、頑張ってくれましたし、根性もありますね。
今日の追い切りは少し抑え過ぎた感じもありましたが、あまり動き過ぎても反動が出るので、これくらいで良いかなとも思います。東京のマイルは条件的には1番良いですし、勝ち負けよりもこのメンバーでどこまで通用するのかを見てみたいですね。ロスのない競馬をしたいので、できれば内枠を引きたいです。死んだ振りをして、最後でこじあけてくるという競馬が1番良いと思います。馬場が悪くなっても、あまり苦にしません。周りが苦にするようなら、道悪になったらプラスになるでしょう」
ウエスタンメルシー(牝4・美浦・
奥村武)について、
奥村武調教師。
「前走の
福島牝馬S(9着)は絶好の枠でしたが、かえってそれが仇になってしまった感じで、ずっとスペースがなくて外に出せずに可哀想な競馬になりました。ほとんどレースをしていないので、競馬の後はすぐに息が入りました。今日は予定より時計が速くなりましたが、それも調子が良いからだと思います。広い東京コースなら前走のようにスペースがなくなる心配はありませんし、あとは前が流れてほしいですね。時間をかけて末脚を生かす競馬を教えてきましたので、レースではその末脚を生かしてほしいです。良馬場が絶対条件です」
ミナレット(牝5・美浦・
大和田成)について、
大和田成調教師。
「今日は、前半人と馬とのコンタクトを確認する感じで、いつも通りリズムを重視した追い切りでした。上積みはありませんが、この馬なりの状態を維持しています。逃げにはこだわりませんが、前々で競馬をしてほしいので、スタートが鍵になります。うまくゲートを出てほしいですね。ベストは1400mなので1ハロン長いですが、東京は結果が出ていますから。しぶとさがセールスポイントなので、周りの馬が前を可愛る競馬をしてくれればと思います」(取材・写真:佐々木祥恵)