第10回
ヴィクトリアマイルに出走予定の
カフェブリリアント(牝5・美浦・
堀宣行)を管理する
堀宣行調教師と騎乗する
福永祐一騎手が会見に応じた。
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堀宣行調教師
(追い切りについて)
「動きは良かったです。先週、今週と併せ馬で追い切りました。折り合いに難がありますので、そのあたりを考えた追い切りをしましたが、先週その辺が今ひとつだったので、今週は3頭併せでもう1回確認しました。完全ではないですけれど、徐々に良くなっています。
前走の
阪神牝馬S(GII・1着)後は、1度疲れを取りました。特に背腰に疲れがたまりやすい馬でしたので、その辺のケアを入念にして、もう1回仕上げ直しました。今回は続けて使えますし、メンタル面も落ち着いています。前走よりも良い状態で使えると思います。ウイークポイントである背腰がだいぶ良くなってきましたし、精神面にだいぶ落ち着きが出てきましたので、そこが大きいと思います」
(前走について)
「牝馬らしい鋭い決め手がありますので、転厩してきてから少し組み立てを変えて教えてきました。メンタルも落ち着いてきて、前走はジョッキーの判断でしたけれども、出たなりの位置でしっかり折り合えました。そのように前に出していくと、終いの伸びを欠くことが多いのですが、前走はしっかり終いも伸びてくれましたし、進境を感じました。長距離輸送をした上で、しっかりと能力を出してくれましたし、成長をしてきていると思います」
(転厩後、右回りは前走だけで、他は左回りだが?)
「これはたまたまです。2走前の
節分S(1600万下・1着)の前も、準オープンの身でしたが、
京都牝馬Sに可能なら使いたかったくらいですからね」
(昨年11月の500万下の
鷹巣山特別で6着だった時の敗因は?)
「展開や、休み明けでまだ仕上がり途上だったということがあります」
(東京の1600mの適性は?)
「競馬をしやすいのではないかと思っています」
(この馬のセールスポイントは?)
「いつも一生懸命な馬です。体調さえ整えてあげれば、今は終いもしっかり脚を使えますし、惨敗するようなことにはならないと思います」
(レースについてイメージすることは?)
「この馬の能力をしっかり出すのは大事ですけど、GIになるとそれだけではなかなか勝ちには結びつかないと思いますので、ペースや枠など、そのようなところで、いろいろと戦略を練っていかなければならないと思っています」
(枠順について)
「この馬自身、枠に特別注文はないのですけど、他の馬との兼ね合いに少し神経を使うところはあると思います」
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福永祐一騎手
(前走について)
「前々走の
節分Sの時に久し振りに乗せてもらったのですが、相変わらず気難しい面が残っていて、どんな競馬でもできるタイプではありませんでした。でも前走はそれまでのレースとは一変して、好位で上手に立ち回ってくれました。正直乗っていてもビックリするくらいスタートも速かったですし、その後のレース振りも言うことのない内容で勝ってくれました。未勝利に勝った時も乗せてもらいましたが、GIIを勝てるまでよく来れたなあという、大きな成長を感じましたね。
前走は、メンバーを見渡してもスローペースは必至だったので、後ろから行っても難しいとは思っていました。ただどんな競馬でもできるタイプではなかったですし、無理に出していくと良さが消えてしまう可能性がありますから、スタート次第だなとは思っていましたけど、こういう競馬ができたら1番良いなという形で走ってくれました。僕自身驚きましたし、見ていたあの馬の関係者も驚いたのではないかなと思います。あのような形でもきっちり勝ってくれましたし、元々控えて良いタイプでもありますので、流れに応じた競馬がこれからもできていくのではないかと思います」
(福永騎手と馬の相性は?)
「僕自身、馬との相性を気にするタイプではないのですけど、良い時に乗せてもらっているなとは思います。最初から良い素質を持った馬だなとは思っていましたけど、やはり難しいところがあります。気が勝ち過ぎていて、そのあたりのスピードのコントロールは、キャリアを積んだり年を経ることで、うまくつくようになって良い結果を出せているのではないかと思います」
(GIに向けての手応えは)
「強い馬相手に勝ってくれましたし、連勝中ですからね。GIで相手は更に強くなりますけど、体調は良いようですし、東京のマイルも走り慣れている舞台ですから、そういったアドバンテージを生かして、1つでも上の着順を目指せるように頑張りたいです」
(他の馬に乗って
カフェブリリアントと一緒に追い切りをした感想は?)
「一緒に併せ馬をしていたのですけど、キビキビと動いていました。元々強い調教がいるタイプではないと思いますし、その辺の調整に関しては今年は特に結果を出している厩舎ですから、僕が言うことはないですし、見ていても良い動きだったと思います。順調に調教を消化できているということは何より調子の良い証だと思いますし、勢いある馬なので、このまま行けるところまで行ってほしいなと思います」
「今回は強い馬が相手になりますが、東京の1600は走り慣れているでしょうし、あの馬の持ち味が生きる舞台だとも思います。控えても競馬ができますし、前走のように好位差しもできますので、ペースに応じたレースができればと考えています。楽しみにしています。
ついこの間まで条件クラスで走っていた馬ですけども、トントン拍子でここまで来ました。このように勢いがある馬は連勝を続けていけるケースもありますけども、今回はGIで一気にハードルが高くなります。ただ前回はこちらが思っていた以上の走りをして重賞をクリアしてくれたので、今回もこちらが思った以上の走りをしてくれないかなと僕自身も期待しています。たくさんの方に応援して頂いて、後押しして頂けたらと思います」
(取材・写真:佐々木祥恵)