今週の栗東は好天に恵まれたこともあって、ウッドチップ馬場の状態は良好。26日に逍遥馬道を歩いた時は適度なクッションがあり、状態の良い馬が走れば、きっちりと速い時計が出るような状態。26日に関しては、乾きすぎた状態を考慮して、散水されている状態だった。
なお、6月20日から函館競馬場の開催が始まるが、一番早い組が5月27日に競馬場へ向けて出発。27日の移動組も多く、今後は栗東に在厩する頭数も減ってくるだろう。
【坂路/4F51.9秒】
一番時計は
アドマイヤサガス(栗東・橋田満厩舎)の4F50.4秒。もう1頭の4F50秒台(50.9秒)
テイエムチュラッコ(栗東・柴田光陽厩舎)はラスト2Fが連続して11.9秒。この時計を見ると、かなり走りやすい状態だったと推測できる。
ちなみに全体的な時計の出方を見ると、4F51秒台の頭数も多くないが、それらの馬がラスト1F12秒前半で上がっているように、余力十分の状態で時計が出るのを押さえているという判断をした。
28日も引き続き、時計の出る馬場状態で、安土城Sに出走を予定している
ホウライアキコ(栗東・南井克巳厩舎)がラスト1F11.9秒だった。走りやすい馬場だったとはいえ、動きが目立ったのが、2歳新馬
ジェントルハート(栗東・
佐々木晶三厩舎)。併せた他厩舎の2歳に歩調を合わせる感じだったので、速い時計は出ていないが、手応えは終始楽。追い切りを進めるごとに素軽さが出ており、デビュー戦から能力全開となるだろう。
先週の馬場差は「+0.6秒」。先週よりも時計が遅くなる外的要素はないのだが、全体的な時計の出方を見ると基準時計より重い馬場差をつけるしかない。よって、馬場差は27日、28日とも『+1.2秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
坂路馬場同様、ウッドチップの状態に関しては良好。ただ、追い切り時計に関しては、4Fまで遅めのラップを踏んでおり、時計が出ていない印象を受ける。しかし、テンから飛ばしていくと終いまで止まらないで駆け抜けることができるので、そういった馬の5F時計は速い。
27日の追い切りでそういった動きを見せたというところでは、
日本ダービーの出走を予定している
スピリッツミノル(栗東・
本田優厩舎)。
酒井学騎手が跨っての併せ馬だったが、5F標識を過ぎてペースアップして、5F65.8秒と速い数字をマーク。状態に関しては引き続き、いい感じではないだろうか。
28日は
安田記念(6月7日・東京芝1600m)に出走予定の
ダノンシャーク(栗東・
大久保龍志厩舎)が1週前追い切りを行った。
阪急杯5着の後、予定されていた
マイラーズCを回避。この中間も5月21日に坂路で4F52.9秒をマークした以外は、軽い追い切りしか行っていなかった。
1回目のハローが明けた時間帯だったが、
キングストーンを1秒近く追走して、その差を徐々に詰めていく感じ。直線は外を回り、最後は一杯に追われて、3馬身ほど先着してゴール。時計は6F78.8〜5F64.6〜4F50.7〜3F37.3〜1F11.8秒と素晴らしく速いので、額面の数字は文句ない。ただ、いつもならこの時計を楽な手応えでマークするところを、今回は一杯にやられていたあたりに、久しぶり感が否めない。
なお、先週の馬場差は「-0.5秒」。今週は先週より時計が出る馬場になっているので、27日、28日とも『-1.1秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は使用頭数がほとんどなし。僅かに追い切りを確認したが、それも時計が遅く、馬場差記録の参考にするのは難しい。天候を考慮すると、27日、28日とも『±0.0秒』で記録するのが妥当だろう。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は平均よりやや少なめ。そんな中で目立ったのは、3歳未勝利の
ラブステイシー(栗東・
羽月友彦厩舎)。デビュー戦を18着に敗れているが、当時の最終追い切りDPでの動きと27日の動きは雲泥の差。少し間隔をあけたことで、馬が一変している可能性がある。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)