第82回
日本ダービー(GI・芝2400m)に出走する
サトノクラウン(牡3・美浦・
堀宣行)が、ウッドチップコースで最終追い切りを消化した。追い切り後、管理する
堀宣行調教師と騎乗する
クリストフ・ルメール騎手の共同記者会見が行われた。
■
堀宣行調教師。
(追い切りについて)
「前走前に少しやり過ぎたという反省がありました。あと
皐月賞の後の疲れが思った以上にありました。調子を上げていくことを慎重にして、グンと良くなってきたのは先週末くらいからです。そのような状況ですし、本番まで良い状態を取っておきましょうということで、トップスピードに入れないでソフトに追い切りました。折り合い等は心配ないのですが、一応(3頭併せの)真ん中に入れてそのあたりの確認を含め、
皐月賞の後に状態がしっかり戻ってきたということも、ジョッキーに確認してもらいました。注文通りで調教の量としても申し分なかったですし、ジョッキーもしっかり把握して乗ってくれました。調整としては順調に来ています」
(不利があって6着だった
皐月賞について)
「装鞍所に入って来た時に、既に少し平常心を欠いているところがあって、調子を落としていたというのが1番の敗因だったと思っています。ゲートの出が少し悪かったのと、道中いつもより行きっぷりが悪かったのも、やはり状態なのではないかと思います。それプラス、不利ですね。ルメールさんも言っていたように、
ドゥラメンテよりも、その前に外に振られた部分が非常に大きかったです。ただ終いはしっかり脚を使っていましたので、勝ちはなかったかもしれませんが、何かがうまく転がっていれば力を出して2、3着には来られたのではないかと感じています」
(前走後の調整について)
「前走後は体が減っていましたし、ダメージもありました。放牧に出すと行き帰りの輸送もありますから、思っているほど放牧効果がないのではないかということで、在厩で状態を見極めながらやっています。当初は良化がスローで、悪いところまで行ってしまったなと感じていたのですが、途中から楽をさせて(体調が)戻ってきてからは早かったですね。先週末の段階でこれならいけるなという手応えが見えてきましたし、良かったと思っています」
(
皐月賞時との比較は?)
「具体的には、体重で言うと10キロほど増えています。その分、メンタルの方も落ち着いているという感じで、体も硬くなってはいません。この馬はすごくシャープな切れ味を持っていますので、稽古でそれをやってしまうと体に疲れが出てしまいますから、このくらいの調整で丁度良いのではないでしょうか」
(東京2400mについて)
「ここまでの調教や競馬での状態を見ても、距離は問題なくこなせると思います。重馬場も1回こなしています。この馬は決め手がありますので、それが発揮できれば良い結果が出るのではないかと思います。いろいろな意味で、
ドゥラメンテほど気を遣うようなところがありません。中山も合うと思いますが、東京が合うのは間違いないと思います。位置取りに関しては、馬場状態や展開、枠順などありますので、現状ではわかりません。あまり常識にとらわれていると本質が見えなくなりますし、この馬の良いところをしっかり出すということが大事だと思っています」
■
クリストフ・ルメール騎手
(追い切りでは堀調教師からどのような指示がありましたか?)
「ハードな調教よりも状態の確認をしたかったので、直線に入ってどこまでやるかは騎手に任せますという指示で、3頭併せで追い切りをしました」
(追い切り後の感触は?)
「今、馬は本当に良い状態です。今日は本当に
リラックスしていましたし、ス
トライドもスムーズでした。コンディションも完璧で、とても嬉しいです」
(
皐月賞を振り返って)
「
皐月賞は残念でした。レースの前半は良かったですが、4コーナーは大外を回り過ぎました。難しかったですね。でも
皐月賞は終わりました。今はダービーです。競馬場も距離も変わりますし、自信があります」
(東京の2400mについて)
「
サトノクラウンは、東京競馬場のレース経験がありますので、それはグッドポイントだと思います。ス
トライドも大きいので、多分、東京競馬場が大好きですし、向いていると思います。コースについては特に難しいことはないと思います。直線は長いですし、普通に走れば1番強い馬が勝つのではないかと思います」
(この馬が力を出しきるのに大事なポイントは?)
「この馬は非常に能力がありますが、乗りやすいです。もちろんレースが始まると何が起きるかわかりませんが、気難しい馬ではないので、
リラックスさせて最後の400mで良い勝負ができれば良い走りをしてくれると思います」
(
皐月賞ではスタートがあまり良くなかったが、ダービーでのスタートについては?)
「
サトノクラウンは、いろいろな環境に興味津々で、あちこちを見る馬です。ゲートに入ってからも、落ち着かせるためにあちこちを見させていたましたが、もしかするとその分、馬の集中力が100%ではなかったかもしれないということに気づいて、ダービーでは返し馬から集中させるように、もう少し良いスタートが切れるようにと考えています。やはりスタートは1番大事なので、自分が欲しいポジションを取れるように集中させながら、良いスタートを切りたいと思います」
(他のメンバーについては?)
「
ドゥラメンテが1番のラ
イバルです。
皐月賞では本当に凄かった。だから1番人気になると思いますし、本当に良い馬です。あと
リアルスティールも良い馬です。でも、ほとんどの馬が2400mが初めてです。あまり期待していない馬がこの距離で思っていたより走ったり、逆に2400mが合わなかったという馬の両方が出てくるというサプ
ライズを楽しみにしています」
(初めて騎乗する
日本ダービーについて)
「
日本ダービーは初めてですし、楽しみです。ダービーはどこでも大切なレースです。もちろんダービーに勝ちたいです」
(
JRA騎手として
日本ダービーに騎乗することについては?)
「とても嬉しいです。ダービーに参加するのも最高に良いですが、さらに今回は強い馬でチャンスもありますので、その2つを併せて非常に楽しみにしています」
(意気込みを)
「
日本ダービーは、日本で1番のレースです。楽しみです。東京競馬場に来てください。応援してください。ありがとうございます」
(取材・写真:佐々木祥恵)