追い切りが集中した3日は朝から雨。時折、大粒で激しい降り方をする時間帯があり、馬場に対する影響だけでなく、雨によって集中力を切らせてしまうように見えた馬もいたくらい。逆に昨日の当ニュースでお伝えした、
ラキシスのように、雨を喜んでいるかのような豪快な動きを見せる馬もいた。
4日は一転して晴れ。3日の午後から強い風が吹いて、馬場を乾かしたこともあり、適度に水分を含んだ走りやすい馬場。時計の出方は3日と4日でかなり違うと断言してもよいだろう。
【坂路/4F51.9秒】
3日。一番時計は
ヴェリタスキング(栗東・佐藤正雄厩舎)の4F50.6秒。これは自己ベストを大幅に更新した数字なので、本馬にとっては走りやすい馬場だったかも知れない。ちなみに4F51秒台は10頭にも満たないし、その該当馬は
安田記念に出走予定の
フィエロ(栗東・
藤原英昭厩舎)や
カレンブラックヒル(栗東・
平田修厩舎)なので、時計を出すべき馬が速い数字をマークしているといってよいだろう。なお、ラスト1F11秒台はおらず、最速で1F12.2秒が2頭。
それに比べて時計が出る状態だった4日。朝一番から軽快な動きを見せる馬が多く、1回目のハロー明けの時間帯に追い切った
オツウ(栗東・
須貝尚介厩舎)は4F51.2〜3F37.3〜2F24.4〜1F12.1秒と素晴らしい時計をマークした。
ここで取り上げたのは、同じ時間帯に追い切った
須貝尚介厩舎の2歳新馬。半姉に阪神JFを勝った
レッドリヴェールがいる
レッドヴェルサス。併せた
クリノカルカソンヌは先週まで手応え余裕の動きを見せていた馬だが、この追い切りでは
レッドヴェルサスが楽。それで時計が4F53.6〜3F39.0〜2F25.2〜1F12.6秒と速い数字が出た。東京ホースレーシングの関係者の話では、6月28日(日)阪神芝1800mでのデビューを予定しているとのことだったが、これだけ動けると、前倒しでのデビューも考えられるだろう。
先週の馬場差は「+1.2秒」。全体的な時計の出方を考えると、先週よりも馬場差を大きくするような数字ではなく、基準時計から見たら、時計を要する馬場という時計。よって、馬場差は3日は『+0.7秒』で記録。4日は走りやすい状態なので『+0.2秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
3日。雨の影響を受けたことは間違いないが、5Fの一番時計は63秒台だったので、出そうと思えば、出ない馬場ではない。ただ、乗り手が状況を考慮して、テンからセーブしてラップを踏むと、かなり遅い時計になる。このあたりには気を付けたい。
安田記念に出走予定の
ミッキーアイル(栗東・
音無秀孝厩舎)あたりのレベルになると、馬なりでも速い時計が出るような状況なので、極端に時計を要するわけでもないだろう。
4日。天候もよく、非常に走りやすい状況。そんな中でも、特に目立ったのは、単走で追い切られた
カラフルブラッサム(栗東・
鈴木孝志厩舎)。テンから1秒ずつラップを速めていき、最後は矢のように伸びた。6F81.5秒、1F11.9秒は素晴らしい時計
バランス。当欄でも何度か取り上げたことがある馬だが、本当にいつ重賞を勝ってもおかしくない動きを見せている。
なお、先週の馬場差は「-1.1秒」。3日に関しては、先週より時計を要していることは間違いなく『±0.0秒』で記録。4日はいつも通りの基準時計より少し速い状態なので『-0.5秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週から2歳新馬が始まるということに加えて、雨でウッドチップの状態が悪いという状況が重なり、今週の芝馬場はそれなりの追い切り頭数。かなり水分を含んでいたので、馬場差に関しては、3日が『+1.0秒』、4日が『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は平均よりやや多め。雨の影響で、追い切り場所をポリトラックに変更した馬がいたことが要因だろう。ラスト1Fが11秒前半が通常の馬場だが、雨の量が多かったので、ラスト1Fが少し時計を要する状態。ただし、馬場差に関しては、3日、4日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)