3歳馬によるダート重賞、
ユニコーンS(GIII・ダ1600m)に美浦から出走を予定している各馬について、関係者に取材した。
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ノンコノユメ(牡3・美浦・
加藤征弘)について、
浅利英明調教助手。
「いつもスタートで遅れてしまうのですが、前走の青竜S(OP・1着)も後ろからになりました。ただペースが遅いこともあり、3コーナーで中団に取りついたので、ある程度来るかなとは思いました。それでも最後はこちらが驚くほどの末脚でしたね。短期放牧を挟んで、帰厩してから長めを2本追い切りました。今週(6/17)は馬の間に入れて気持ちを乗せて、終いの反応を確かめる追い切りでした。動きを見ても十分に仕上がっていると思います。
新馬の頃は体質が弱くて強い調教はできませんでしたが、競馬を使うごとに強くなってきました。まだトモがゆるくて気性も幼いので完成はまだ先でしょうけど、その分まだ良くなる余地はあります。強い馬も出てきますので自分の競馬をしてどこまでやれるかですが、終いは確実に伸びてくる馬ですし、前走くらい走ってくれれば良いレースになると期待しています」
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アルタイル(牡3・美浦・
手塚貴久)について、
手塚貴久調教師。
「前走の青竜S(2着)は、好位で競馬が出来たことが収穫でした。元々能力が高いと思い、最初は芝を使っていましたが、ソエの影響があってモタれてしまい力が出せませんでした。今はソエも大丈夫ですし、モタれる面も出なくなってきています。今回もブリンカー着用ですが、そのうち使わなくても問題なくなるでしょう。
今週(6/17)の追い切りは終いの動きも良かったですし、状態は良いですね。競馬を使うたびに力を付けていますし、調教でも動くようになってきたように成長してくれています。馬込みでのレースも大丈夫ですし、終いの脚は確実なので、どのような位置からでも競馬ができます。前走で速い時計にも対応できましたし、ここでもやれる力を付けてきています」
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イーデンホール(牡3・美浦・
尾関知人)について、
尾関知人調教師。
「前走の青竜S(8着)は、当初兵庫ChS(JpnII)を目標にしていたことで、早くに仕上がっていたのが影響したのだと思います。精神面で馬に辛い思いをさせたことが、レースで折り合いを欠く原因になったように思います。レース後は、そのあたりを考慮して放牧に出しました。帰厩してこの中間は、気持ちが上がり過ぎないように調整をしてきました。
先週(6/11)長めにやって、今週(6/17)は予定通りに短めに追い切りました。ジョッキーに乗ってもらって時計や内容は良かったのですが、もう少し伸びてくれればというのが見ている側と騎乗している側の共通意見です。終いの反応がズブくなっているのかもしれませんが、雰囲気は良いですね。休んでいる間に蹄を痛めたので前走は接着蹄鉄を使用しましたが、今回は釘で普通に蹄鉄を打つことができています。そのあたりも含めて、前走以上の状態だと思います。
今回は相手が揃いますし、その分速い流れになればレースもしやすくなるでしょう。馬込みでも怯まないガッツがありますし、砂を被っても大丈夫です。あとはこの前向きさを上手くコントロールできるかが課題となるでしょう。長くお世話になった大久保洋吉先生から引き継がせて頂いた大切な馬ですし、今回の結果だけではなく、この先ダート界を背負っていける馬になるよう育てていきたいと思います」
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クワドループル(牡3・美浦・小島太)について、
内田博幸騎手。
「今週(6/17)は調整程度の追い切りでしたが、思ったよりも時計が出ていました。以前稽古に乗った時よりも良くなっていますね。以前は馬場入場時や返し馬でも燃え過ぎるところがありましたが、最近は冷静になってきましたし、馬場入りもスムーズになってきました。マイルに距離が延びますが、燃えやすい面をうまくコントロールできれば大丈夫でしょう。ただ前のようにワーッとなることもなくなり大人になってきていますので、問題ないと思います。あとは相手関係でしょうね」
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ノボバカラ(牡3・美浦・
天間昭一)について、
天間昭一調教師。
「前走の青竜S(4着)も良い感じでレースを進められましたけど、上位陣の力は上でした。レース後は放牧に出さずに、在厩で順調に調整できています。元々調教は動く馬ですし、今週(6/17)の動きも良かったですね。今回は相手が揃っていますけど、力を出せる態勢にはあります。スムーズなスタートができれば更に良いですね」
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マイネルサクセサー(牡3・美浦・
畠山吉宏)について、
畠山吉宏調教師。
「元々
スプリングS(GII・10着)の後に園田の交流重賞の兵庫ChS(JpnII)を使うプランもありましたし、血統背景からもダートを試してみたいと思っていました。前走の
白百合S(OP・14着)では失速しましたが、芝の1800mで逃げる競馬をしたことが今回につながるのではないかと思います。砂を被らずスムーズに運びたいですね」(取材・写真:佐々木祥恵)