大井競馬場(天候・晴、馬場状態・良)で行われた上半期のダート頂上決戦・農林水産大臣賞典・第38回
帝王賞(JpnI・2000m・4歳以上オープン・1着賞金6000万円)は、南関東から4頭、
JRAから5頭、他地区3頭の合わせて12頭が出走した。
好スタートを切ったのは、1番人気の
JRA・
ホッコータルマエだった。しかし、その外側から各馬が殺到し、スタンド前では
クリノスターオー、
ニホンピロアワーズに、
クリソライトが競りかけ、
JRA勢が先行集団を形成した。その後ろに
ホッコータルマエが控え、大井の
ハッピースプリントが5番手を追走した。
1コーナーを回って、
クリノスターオーが先頭に立ち、その直後に
クリソライトが続く。3番手集団には、去年の覇者
ワンダーアキュートと
ニホンピロアワーズが並ぶ。
ホッコータルマエは5番手。そして
ハッピースプリントの順で向正面を通過する。
3コーナーで逃げる
クリノスターオーに、
クリソライトが並びかけ、さらに
ホッコータルマエも先団に取り付き、3頭一団となった。その後に
ワンダーアキュートと
ニホンピロアワーズが併走。4コーナーにかけては
クリソライトが交わして単独先頭に変わる。これを目掛けて
ホッコータルマエ2番手。
クリノスターオーは後退する。後方からは
ハッピースプリントも脚を伸ばす。
最後の直線では、食い下がる
クリソライトを
ホッコータルマエが交わし、先頭へ。結局、
ホッコータルマエが3/4馬身の差をつけて優勝。1番人気に応えた。勝ちタイムは2分02秒7。鞍上は
JRAの
幸英明騎手。早めに先頭に立った4番人気
クリソライトは食い下がって2着。さらに2馬身1/2差の3着には、5番人気の
ハッピースプリントが入った。なお、2番人気の
クリノスターオーは6着、去年の覇者・3番人気の
ワンダーアキュートは8着に敗れた。
勝った
ホッコータルマエは
父キングカメハメハ、
母マダムチェロキー(その父
チェロキーラン)という血統の牡6歳・鹿毛馬。
JRA栗東・西浦勝一調教師の管理馬。通算成績は31戦17勝(うち地方14戦11勝)、これで重賞は13勝目で、そのうちGIは9勝となり、
ヴァーミリアンや
エスポワールシチーが成し遂げたGI最多勝利記録に並んだ。
帝王賞は2013年以来、2度目の制覇となった。
レース後の関係者のコメント
1着
ホッコータルマエ(
幸英明騎手)
「今年はドバイから帰ってきても、良い状態でした。今日は
ホッコータルマエの強さを見せられたと思います。ハナを切っても良いと思っていましたが、主張する馬がいたので控えました。早く前をとらえに行ってしまいましたが、馬にはまだ余力が残っていました。まだまだ負けるわけにはいかないので、ホッとしています。私も
ホッコータルマエも大井が好きなので、ここで勝つ姿を見せていければと思います。私が乗っていても1番人気に支持していただいて、ありがとうございました」
(西浦勝一調教師)
「時間をかけて仕上げてきたので、良い状態で出すことができました。馬も早く走りたいというところを見せていました。幸騎手が落ち着いて馬を信じていて、
ホッコータルマエも強いレースをしてくれました。やっと歴代のGIホースに並ぶことができたので、もう一つ勝てるように、秋へ向けてやっていきたいと思います。秋はJBCからスタートさせたいと思っています。気を引き締めて、他の馬に立ち向かえるようにやっていきたいです」
3着
ハッピースプリント(
宮崎光行騎手)
「道中で、もう少し
ホッコータルマエについていっても良かったかもしれません。4コーナーでは、3着があると思わせる手応えでした。距離はオール
マイティといいますか、どの距離でもそれなりにやってくれます。おっとりしていて、騎手が出していかないと動かない馬です。もう少しこちらがなだめるくらいの気合いがあった方が良いですね。そうなってくれれば、中央の馬と互角にやれるぐらいの能力が発揮できると思います」
(取材:山本直)
ラジオNIKKEI