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ユートピアを管理した橋口師「イギリスで会えたのがいい思い出」

  • 2015年07月09日(木) 12時05分
 7月6日、繋養先のトルコのナショナルスタッドで死亡したユートピア。本馬を現役時代に管理した橋口弘次郎調教師にとっては、初の海外遠征で初めての勝利を挙げた思い出深い馬。あらためて、現役時代の競走成績や当時のエピソードを振り返ってもらった。

「私がJRAの厩務員になって初出走した時が初勝利。調教師になってからも初出走で初勝利。というわけで『初出走初勝利』には縁があったのか、ユートピアが初めての海外遠征での出走で、初勝利となりました。開業して25年目にして、初めての海外遠征だったわけですが、外国へ行くということは世界を相手にするということ。日の丸を背負っていくわけですから、みんながわくわくするようなレースができる馬でなければ、遠征する意味はないと思っていましたし、今でも思っています」

ユートピアは芝でデビューしましたが、2戦目にダートに転戦して圧勝。4戦目となる全日本2歳優駿も圧勝でした。明け3歳になって、再び芝に挑戦した毎日杯が2着。その後もNHKマイルC4着や安田記念4着など、芝のG1でも好勝負したように、芝に対応できるスピードも十分に兼ね備えた馬でした。ドバイのダートはパワーだけでなく、スピードも必要だと感じていたので、ユートピアは絶対にドバイのダートに合っていると思っていました。そういった意味では、自信を持って遠征することができましたね」

「ゴドルフィンへのトレードの話が決まった時は、少し寂しさもありましたね。実は種牡馬になってから、イギリスで繋養されている時に会う機会があり、厩務員や調教助手らと一緒に行って、会うことができたのはいい思い出です。アメリカでの種牡馬生活の後、新天地を求めてトルコへ行ったと思います。トルコ競馬の発展のため、活躍してほしかったですが、非常に残念です」(取材・写真:井内利彰)

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