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函館も福島も芝は強い調教が必要

  • 2008年07月01日(火) 17時45分
 函館、福島、阪神での競馬も2週が終了。各競馬場とも、調教傾向が顕著になりつつある特定条件が出てきているので、そのあたりを中心に先週の回顧で傾向を探りながら、今週への対策を勉強しましょう。

 まず例年以上に調教量が求められるのが函館芝。先週の競馬総合チャンネルの「速報!調教Gメン」で4日目12Rを取り上げた際に「昨年に比べて調教本数が少ない人気馬が惜敗し、一杯に追われた馬が好走するのが今年の函館芝」と書き、トラックで一杯に追われたメジロアースラを取り上げましたが、結果は7番人気2着でした。

 同馬は例年の函館なら届かないような後方からの競馬になりましたが、3角すぎから動いてメンバー最速の上がりを計時して2着まで追い上げています。一杯に追われる調教さえ積んでいれば、その分、脚を使えるのが今の函館芝です。

 今週は函館SSが行われますが、過去の同レースでは比較的軽い調教の馬が好走していました。しかし今年は馬場が例年とは違いますから、トラックで一杯に追われているような馬が馬券に絡む活躍を見せるはずです。

 ここまでは1200m中心に話を進めていますが、1800mや2000mに関しても同様の傾向がありますので、芝レースは全体的に調教量が必要だと覚えておいてください。ちなみにダートに関してはここで明記するまでの傾向は出ていないので、回顧は省略しておきます。

 福島芝の特徴を示すレースとして注目したのは4日目のいわき特別。4日目は雨の影響を受けて重たい芝となりましたが、最終レースに組まれていたいわき特別は最も重い馬場状態で競馬が行われたといえます。

 このレースの1番人気は1000万下から降級してきたアブソリュート。能力は断然抜けていましたが、休養明けということもあり軽い調教しかやっていませんでした。競馬ではハナに行く馬の番手につけて、いつでも抜け出せるレースぶりでしたが、逃げていたフラワータキシードを交わせず、後方から追い込んできたドリームトレジャーにあっさりと交わされて3着。フラワー、ドリームの2頭はトラックでしっかりと強い調教を課されていたので、能力差を調教適性で上回った代表的なレースだったといえます。ちなみに2番人気カレンナサクラも1000万下からの降級でしたが、軽い調教しか課されておらず9着と惨敗。

 降級馬が幅を利かせるこの時期ではありますが、福島の芝は週を追うごとに悪化しており、調教適性の重要性が増しているので、調教Gメン的見方をすれば、非常に面白い競馬になっています。

 今週は前述いわき特別と同距離でラジオNIKKEI賞が行われます。良馬場で行われたとしても先週末の競馬で馬場が荒れているため、調教量が重要な馬場になることは間違いありません。詳しい解説は過去のレース傾向も含めて競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」に書きたいと思います。

 ダートは安達太良Sの結果を参考にすれば坂路調教馬。1〜3着が坂路調教馬で、その2着馬ダノンビクトリーが9番人気。同馬がレースの流れに乗って上位入線したことを思えば、先行できる坂路調教馬は馬券の軸になりやすい印象を受けました。

 最後に阪神。重馬場で行われた宝塚記念は坂路で本数多く調教されたエイシンデピュティが逃げ切り勝ち。同日同距離で行われた香住特別を勝ったナリタダイコクも坂路で本数多く調教された馬でした。

 芝中距離では1週目より坂路で本数多く調教された馬が好走する傾向が出てきているので、たとえ今週末に雨が降らなくとも荒れた馬場の影響を考慮すれば、坂路で本数多く調教された馬が好走できる馬場状態は間違いないでしょう。

 ダートに関しては雨の影響受けてスパルタで調教された馬が思ったよりも好走できませんでした。しかし4日目の未勝利ダート1800mではトラックで一杯に追われたトーホウミラクルが10番人気2着の好走を見せており、1800mでは狙い続けるべき調教タイプは「スパルタ」だと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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