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阿武隈S

  • 2008年07月04日(金) 12時50分
 96年にフサイチコンコルドがわずか3戦目にダービーを勝ったあたりから、日本でも欧州と同じようにクラシックに対する考え方が大きく変わった。育成、調教技術の大幅な進歩発展により、入念なトレーニングを積んだ素質馬なら、キャリア不足は必ずしも致命的な死角ではない、と。

 ココナッツパンチは、新馬の1600mを上がり33.4秒で突き抜け、2戦目の弥生賞2000mではアドマイヤオーラをクビ差まで追い詰めて2分00秒5の2着。人気のドリームジャーニーなどに先着している。3戦目の皐月賞が0.6秒差。賞金不足でダービー出走が無理となると、古馬相手の目黒記念に挑戦。51kgとはいえ、ポップロックをクビ差まで追い詰める2着。

 ただし、強気の挑戦は、成功してすぐ引退するならいいが(欧州で多いように)、成功しても、カベに当たっても、浅いキャリアで厳しいレースをしたのだから、反動や消耗を受け入れなければならない。

 骨折のあと、今春はまたいきなり日経賞GIIから出発のココナッツパンチは、まだ強気な挑戦者(素質は互角以上)の立場をとりつづけたが、今度はさすがに苦しかった。

 しかし、間をあけて立て直した動きは光っている。今週の坂路は上がり11.7秒。先行の格下馬を瞬時に風のように抜き去った。ダメージから回復、再出発の態勢が整った。

 この素質馬、2500m級までこなしているが、決して長距離タイプでもなく、ベストは2000m前後だろうと思える。弥生賞2着の内容から小回りの右回りもまず心配なし。ここは条件移動で1600万クラス。まだ6戦のキャリアだけに危なっかしい一面こそ残るが、キチッと決めてトップクラスに返り咲きたい。

 キングアーサー、好調アップルサイダー本線に、先行のピースデザインと福島巧者マイネルネオスが押さえ。相手も絞りたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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