福島、阪神での競馬は先週で終了。今週からは新潟、小倉に競馬場を移動して、いよいよ本格的な夏競馬が始まります。今回の当コラムでは引き続きの開催となる函館を中心に、昨夏の新潟と小倉の傾向を踏まえた今週末の対策を書いていきたいと思います。
函館の芝に関しては、一杯に追われた馬が好走しているのが1回函館の後半週からの傾向ですが、今週からBコースに仮柵が移動してしまうので、その点には注意が必要です。一杯に追われた馬が好走する距離としては、「1200m>1800m>2000m」という感じで距離が短くなればなるほどその調教傾向が強いといえます。
ダートに関しては8日目に目立ったのが馬なりの強さを本数多く調教された馬の好走。8日目9R・500万下の1700mでは、調教本数が少なかったエバーモアが単勝1.6倍の断然人気に推されましたが、調教本数多く乗り込まれたエステヴァンに捲り一発を決められてしまいました。同日の未勝利戦でニシエイビュレットが同じく調教本数多く乗り込まれて、単勝配当1000円で好位置からの差し切りを決めています。2頭ともに出走メンバー中、最速の上がりを使っているので、今の函館ダートは調教本数豊富な馬が鋭い末脚を使える馬場だといえます。
続いて新潟。昨夏の開幕週の特徴は調教本数が全く関係ないといえます。初日に芝1600mで行われた豊栄特別は1、2着ともに調教本数が少ない馬でした。また2日目に重馬場で行われた芝1800mの尖閣湾特別は、1着が調教本数の少ない馬、2着3着は馬なり中心の調教の馬でした。
調教本数が少なかったり、馬なり中心の調教を行っている馬はスピード能力が高く、あまり調教本数をこなしてしまうとオーバーワークになってしまうので、それを避けるために本数が少ないケースがほとんどです。ですから、新潟の開幕週はその馬自身のスピード能力が高ければ調教は軽くても能力で押し切れる馬場だということなのです。
ただし、本数が少ない馬や馬なり中心の馬のなかには、夏バテしてしまってあまり強い調教をできないという馬もいたりするので、その見分けは必要。前記の2レースで好走している調教本数が少ない馬はみな、美浦の南Wで5F65秒0を切っていたり、ラスト1Fを12秒前半でまとめているので、そういった数字を「スピード馬」の見極める基準に使ってください。
これは今週末行われるアイビスサマーダッシュにも当てはまることなので、詳しくは
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で解説します。
最後に小倉。昨年の開幕週は台風の影響を受けて開催順延となりました。よって、開幕週により近い調教傾向を探るために3日目に行われたレースを参考に過去を検証してみましたが、そのポイントになりそうなのが1000万下の芝1200mで行われた西日本スポーツ杯でした。
このレースはシルクゾディアックが武豊騎手を背に1番人気に支持されましたが11着に大惨敗。同馬は坂路調教馬だったので、決して小倉芝1200mが向いていなかったとは思えません。実際、同じ年の1月に開催された1000万下の小倉芝1200mを完勝しているからです。ではどのあたりに問題があったのか?
それが追い切りの「強さ」です。
同馬は最終追い切りで目一杯追われていましたが、このレースで1〜3着に入った馬の最終追い切りの強さはすべて「馬なり」でした。調教というのは一杯に追われて良い場合と、馬なりで軽く流すことが良い場合と2種類ありますが、夏の小倉開幕週は馬場が軽いため、追い切りで一杯に追われるような馬よりも、馬なりで軽く流すような馬の方が好走しやすい馬場なのです。ちなみに2番人気だったサインゴールド(14着)もシルクゾディアックと同じように坂路でしっかり追う調教を消化していました。よって馬場が荒れてくるまでは「馬なり系」を狙ってください。これが開幕週の小倉芝1200mの狙い方です。
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