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ダービー馬の弟

  • 2001年11月08日(木) 00時00分
 トウカイオーザとアドマイヤボス。ダービー馬を兄に持つ2頭は、早くからG1の舞台での晴れ姿を期待されてきました。

 ともに4歳の秋、10月13日の京都、準オープンで顔が合って1着と2着。そして、先日のアルゼンチン共和国杯はG2戦、ここを勝って次は有馬記念をという対戦でした。

 勝ったトウカイオーザは、平成3年のダービー馬トウカイテイオーの9歳年下の弟。重賞は4戦目での初勝利ですが、兄と同じく東京の競馬場はいいですね。この馬の走法は、この広い、直線の長いコースが最適です。ちょっとズブいところが見られ、ゆるみないペースに置かれそうな感じ。4角では後方から2番手で、とても無理と思いはじめた直後、馬場の中央に出してからが独壇場、圧倒的なパワーで駆け抜けていました。これで2連勝、どうやら軌道に乗ったようです。

 間違いなく、存在を見せ付けたトウカイオーザの今後は楽しみで、古馬戦線注目の一頭に決めます。特に、東京では。速い、ゆるみないペース向きですね。
 一方のアドマイヤボス。母べガの初仔の兄がダービー馬になったことで、1歳下の全弟としては期待されて当り前。3戦目でセントライト記念を勝った昨秋は、胸騒ぎを覚えたものでした。

 アルゼンチン共和国杯は去年も出走して、内にささる走りで十分に追えずに大敗でしたが、今年も、やはり同じような直線の走り方でした。一番先にスパートし意欲的に見えたのですが、どうも左回りはムズカシイようです。それでも、昨年の有馬記念では、ゴール前、上位の一群の中に切り込んでいました。右回りなら大丈夫な筈。いつまでも負けてはいられない馬です。

 偉大な兄を持った弟たちの悩み。なかなか思い通りにはなりませんが、それなりの理解を持って、ゆっくりいい所を見続けてあげたいものです。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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