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函館の本数多い馬に注目

  • 2008年08月05日(火) 18時00分
 新潟、小倉の開催が3週、函館は1回を含めると7週の競馬が終了しているので、そろそろ調教傾向を完璧に掴んでもよい時期なのですが、実際のところは苦戦しています。その象徴といえるのは函館の芝。

 先週の当コラムでは馬なり中心のトラック調教馬を狙いましょうとまとめたんですが、実際のところは調教本数多いトラック調教馬が好走しました。

・5日目12R ファーストナイナー 単勝2250円
・6日目9R マヤノツルギ 単勝450円、12R マザーズウィッシュ 単勝570円

 先週6Rあった1200mのうち、調教本数多いトラック調教馬が上記の3頭。実はこの3Rは降水量が多くなって馬場が重くなってからのレースです。函館の芝は基本的に調教本数多い馬が好走する馬場ですから、雨のおかげで本質がくっきり見えたのでしょう。

 今週末も雨が降るようであれば、この調教傾向は確実続くでしょう。たとえ雨が降らなくとも、先週の雨中での競馬が馬場を劣化させているはずなので、今週末の競馬は調教本数が鍵になってくるはず。当然、今週末に行われる函館2歳Sでもしっかり調教本数を積んでいる馬に調教適性があるレースになるでしょう。

 続いて新潟芝。先週の当コラムでは「最終追い切りをポリトラックで行い、ラスト1Fが12秒前後の時計を出している馬」を取り上げていました。その成績は3割以上の複勝率を維持していますから、現在の馬場への調教適性は高いといえます。

 ただ、この調教条件に注釈をつけるとすれば、馬場が荒れる開催後半に進んでいけば標準的な調教本数を消化した馬の方がより好走できるでしょう。その基準はローテーションと同じ調教本数、例えば中2週であれば2本といった数字です。休養明けにも関わらず2本や3本といった少ない調教本数ではゴール直前でのひと伸びを欠いてしまうでしょう。

 今週末は関屋記念が行われますが、このレース自体は坂路調教馬が強いレースなので、ポリトラック追いの馬との兼ね合いも含めて、競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で詳しく解説したいと思います。

 最後に小倉。芝は先週の当コラムで書いた「坂路4Fの時計がメンバー最速」かつ「終い最速ラップが踏めている」というふたつの調教条件を明記していましたが、先週だけの結果に限れば、坂路4Fの時計がメンバー最速を満たしている馬の好走が目立ちました。

 例えば坂路終い最速ラップが踏めていなかった6日目若戸特別のカシノマイケルでしたが、坂路4Fの時計はメンバー最速の52秒7で7番人気2着。メンバー2位と坂路時計だった1着ウインスペンサーとの馬連は1990円でした。

 ダートに関しては徐々に傾向が表れていて運動量多い馬が好走し始めています。6日目響灘特別(ダート1700m)はトラックで一杯に追われたエプソムアーロンが厳しいペースを押し切って1着。2、3、4着はトラックと坂路を併用した本数多い調教を消化した馬でした。同じ6日目の未勝利戦でもトラックと坂路を併用した本数多い調教を消化していた8番人気ユウターダーツがメンバー最速上がりを使って3着に入っています。

 この要因としては小回りコースに慣れ始めた各ジョッキーが前を意識した早目をしているため、レースの流れが厳しく運動量が豊富な馬が好走しているのでしょう。雨で極端に前有利の馬場にならない限りは今週のダートも運動量豊富な馬が好走すると思います。


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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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