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標準多めが外差し可能な馬場

  • 2008年08月12日(火) 14時00分
 先週で函館開催が終了し、今週から札幌開催がスタート。新潟、小倉は引き続き3回開催がスタートします。

 新潟芝に関しては関屋記念で調教本数少ないトラック調教馬が1、2着。これは戦前には全く予想していなかった結果なので参りました。正直、今の新潟芝でしっかり傾向が掴めているのは先週まで再三コラムに登場している「P追いラスト1F12秒前半馬」くらいしかありません。これも先週に限れば萬代橋特別のアサティスボーイが5番人気2着の結果を残したくらいで、単勝で狙えると特筆するほどではありません。

 もちろん1週の結果で一喜一憂するものではないので、先週まで当コラムに書いた傾向は重視していくつもりですが、ここで詳細回顧することは省略しておきます。

 逆に調教傾向が掴めてきた実感があるのは新潟ダート1800m。先週は全5鞍ありましたが、複勝圏(計15頭)の67%を占めたのが坂路で追い切りされた馬でした。詳細を見ると人気馬が順当に結果を出しているため、この数字が高くなっている印象もありますが、馬券を的中させるためには人気薄ばかりを狙っていてもいけません。1〜3着に入っている馬の傾向をきっちり見極めることも重要です。

 例えば8日目12Rは8頭の坂路追い切り馬がいました。その中で全体の調教本数が少なかった3頭の坂路追い切り馬を除くと5頭ボックスで馬券を組み立てることができます。結果1〜4着を調教本数が標準以上だった坂路調教馬が占めて3連複4820円という配当。私の個人馬券としては、昇級初戦のローンジャスティスを外し、マイネルアベニールを1着に固定して3連単35400円を的中させることができました。

 実はこのマイネルアベニールに騎乗していた柴山雄一騎手の今年の新潟2回1〜6日目までのダート1800mが[2-0-0-9]という成績。これに標準以上の調教量を消化していたという条件を加えると更に勝率が高くなります。7、8日目に関して言うと、4番人気グラミスキャッスルは調教本数少なく5着と敗れてしまいましたが、本数が足りていた11番人気マイネルマニセスは5着、6番人気マイネルアベニールは1着と非常に安定した成績を残しています。

 ダートは開催が替わっても傾向が変化するものではありませんから、3回新潟のダート1800mも積極的に調教本数が足りている坂路調教馬と柴山雄一を狙い続けたいと思います。

 小倉芝はトラック、坂路、併用問わずに調教本数多い馬(調教Gメンの調教タイプ分類で「標準多め」となる)が好走しています。またこの傾向は距離に関しても短距離、中距離を問いません。ただ、実際の数字を見ると[4-2-1-19]、連対率23%なので大した成績ではないように思いますが、未勝利戦を除くと[3-1-1-7]という数字に成績が好転します。

 未勝利戦はレースによって将来的にオープンクラスでも走れる馬が出走していたり、メンバーの能力差に開きがある場合が非常に多いので調教適性よりも他の条件でレース結果が出てしまう場合があります。またレースの流れが落ち着きやすく、運動能力が発揮できるような流れでない場合も多くあります(スピードの絶対値が違う馬の逃げ切りなど)。しかし、高額条件になればなるほど実力差は少なくなり、同じメンバーでの再戦も多くなるので、調教適性で結果がつく場合が多くなるというわけです。

 実例を挙げると、7日目10Rのタマモハクライは坂路で本数多く調教して単勝2700円、同じく坂路で本数多く調教していた8日目11Rのオレンジシュプールは5着でしたが、11番人気という評価を考えれば調教適性があったからこその好走だと言えます。

 運良く3回小倉も2日目までは仮柵移動がないので、この傾向は確実に続くと思われます。先週のレース内容も見た上での今週の狙いとしては、外から差すことができる調教本数の多い馬を積極的に狙いたいですね。この傾向は今週末行われる北九州記念でも同じですから、そのあたりも含めて、競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」でしっかり解説したいと思います。

 最後に札幌ですが、開催が初日になります。下手に昨年の傾向にとらわれるよりは1日目の結果を見て、2日目に繋げていきたいと思いますので、今週末行われるクイーンSに関しては、競馬総合チャンネルの「速報!調教Gメン」で注目馬とその理由を明記したいと思います。


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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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