馬場状態の回復が予想以上に早く進んだが、それでも多くの馬が内よりを避けて通るコンディションの中、スリープレスナイト(父クロフネ)の圧倒的な勝ち方が光った。
この馬場で1分07秒5は速い。それもトップハンデの56kg(牝馬だから、牡馬なら58kgに相当)での完勝。前回のCBC賞は1200mにしては前半のラップも遅く、多分に恵まれたところがなきにしもあらずだが、今回は文句なしだった。この馬自身の前半3Fも33.3秒。流れに乗って先行し、後半も34.2秒でまとめ後続に決定的とも思える2馬身差。このあと大目標のスプリンターズSを展望するときの最大のテーマだった時計の裏づけができた。
同じ橋口厩舎にはほかにもサマースプリントシリーズの候補がいるため、このあとは直接GIに向かうローテーションを組むと思われるが、残る課題は直線に坂のあるコース程度。展望は非常に明るい。この日、たまたま同じクロフネ産駒のユキチャン(札幌のクイーンS)はまだまだ芝に課題が大きいことを示してしまったが、スリープレスナイトはアドマイヤムーン、ヒシアマゾンなどが代表するケイティーズの一族。底力が前面にでてきた。スプリンターズSの有力馬の1頭に加わってきたといえるだろう。
54kgの軽ハンデを味方に2着に突っ込んできたマルカフェニックスは、前回の短距離Sで前半32秒台の流れに乗って伸びを欠いたあとの1戦。今回は意識的にひかえる作戦が正解。外に出て一気に伸びてきた。平坦に近い小倉コース巧者と思えるが、まだまだ上積みは望める。このマルカフェニックスの2着で、池添騎手(テン乗り)はサマージョッキーシリーズのポイントを21まで伸ばし大きくリードした。
3着ゼットカークは直線1000mのレースのあととあって、珍しく好スタート。うまく外に回って伸びたが、結果は持ち時計通りの1分08秒0。51kgの軽ハンデをフルに生かしきったが、全体にもう少し時計のかかる馬場向きなのだろう。
逆にクールシャローンはもっと軽いコンディションのほうがスピードと切れ味を生かせるタイプか。今回は1分07秒4で差し切った前回ほど伸びなかった。
札幌の「クイーンS」は、マイペースに持ち込んだ6歳ヤマニンメルベイユの鮮やかな逃げ切り。6歳馬ながら一段と粘り強くなっているから立派なものだ。珍しく大挙して出走してきた3歳馬の中ではランキング通り、桜花賞馬のレジネッタが2着に追い上げた。ただ、注目を集めたレースのわりに、レース全体のレベル「レースレーティング」は残念ながらかなり低い数値にとどまるものと思われる。
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