夏競馬も後半戦がスタートした先週。新潟、小倉では雨の影響を大きく受けて、好走する調教タイプの傾向も少しずつ変化を見せています。そのあたりも含めて、各競馬場の回顧と対策をしていきましょう。
まず先週から開幕した札幌競馬。開幕週というと軽い調教の馬、追い切りの強さで言うと「馬なり」の系統が好走するのが常ですが、こと札幌に関してはそういうわけでもありません。
先週は土日合わせて12鞍の芝レースが行われましたが、そのうち軽い調教の馬(調教タイプでは馬ナリ平均もしくは軽目)に該当した馬が勝ったレースは2鞍しかありませんでした。またダートレースも同じ12鞍行われましたが、こちらも同じ調教タイプの馬は3鞍でしか勝利していません。
芝、ダート問わずに標準以上の強さ、本数の調教を消化している馬が好走している要因として考えられることは「長期間の滞在競馬」でしょう。
滞在競馬の長所である「輸送による馬体減を考えなくてもよい」というファクターが、長期滞在することで「輸送がないから絞れない」という反面のマイナスファクターに変身しているということです。
データを紹介すると、1日目、2日目の全レースにおいて前走から10キロ以上馬体が増えた馬で調教の強さや本数が標準に足りていなかった馬は25頭。その成績は(0.0.2.23)と1番人気で5着に敗れたフミノパッションやクイーンSのエフティマイアなどの人気馬も含んで散々たる結果でした。休養明けのエフティマイアは滞在で馬体が増えたというわけではないので、滞在が原因ではなく、例年より運動量を必要とする札幌の芝が敗因だったと考えられます。
今週の札幌記念はクイーンSよりも1F距離が長くなりますから、より一層運動量が必要になると思いますので、そのあたりも含めて、
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」でしっかり解説したいと思います。
続いて新潟。芝は雨の影響もあって内有利だった馬場状態に変化が見られるようになりました。その典型が1日目浦佐特別のエイシンブイダンス。
この馬は前走、2回新潟4日目の芝1800m外回りに出走しましたが、メンバー最速の上がり33秒9を使いながら10着と惨敗しています。しかし先週は同じような後方からの競馬をして上がり34秒2を使って勝利。内が残らない馬場になったからこそ差し届いたのでしょう。また調教内容は前走が坂路で標準的な本数を一杯に追われるものだったのに対して、今回は同じ一杯の強さを本数多く調教していたので、調教タイプ強化だったと言えます。
同じようなパターンが2日目天の川Sのカゼノコウテイでしたが、こちらは全くの末脚不発。こちらは今回の調教が馬なりの坂路調教だったので、雨で力が必要だった馬場に適応できなかったのではないかと考えています。後方から差し切るにしてもそれなりの体力が必要だということです。
ダート1200mで目立ったのが坂路4Fで速い時計を出しながら、終い最速ラップを踏んでいる馬の活躍。
2日目岩室温泉特別で単勝1.5倍と断然人気したのはダイワディライト。しかし勝ったのは坂路の最終追い切りで14.6-13.3-11.9-117(4F51.5)というラップを踏んでいたピーチドラフト(単勝2430円)でした。
同じく2日目の未勝利戦では単勝1.5倍のサンターナズソングが人気をしていましたが、坂路の最終追い切りで14.5-12.7-12.3-12.1(4F51.6)のラップを踏んでいたツウカイヤスナムが勝って単勝3130円。
どちらの人気馬もトラック調教馬だったのに対して、勝ったのが坂路調教馬。とにかく坂路調教馬が有利な新潟ダート1200mであることは間違いありません。またどちらも勝ち馬もハナもしくは2番手で競馬している馬なので、上記のような調教条件に該当していて、逃げる競馬ができる馬であれば積極的に単勝で狙っていきたいですね。
最後に小倉になりますが、こちらは相当な雨の影響を受けての競馬。芝では時計が掛かり、ダートでは時計が速すぎるという極端な馬場だけに、好天の場合には参考にし辛い結果だと言えます。ただ芝に関しては明らかに外が有利な馬場状態に変化しており、運動量が豊富な馬が好走しています。
実例は2日目7Rの未勝利戦。10番人気、7番人気で決着して馬連42820円と波乱になったレースですが、この1、2着馬は一杯追いを本数多く調教された馬(調教タイプではスパルタ)でした。これに関しては馬場が乾いても継続すると思われますので、馬なり中心の軽い調教の馬よりもこれでもかというくらいに一杯に追われている馬を狙ってみる方が高配当の馬券に近付くと思います。
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