今週で夏競馬が終了。新潟、小倉に関しては最終週となりますが、札幌は連続開催になるのでその前半戦が終了という形になります。今週の当コラムではそれぞれの競馬場において、これまでの開催データを基にピンポイントで馬券検討のお役に立てるような内容に心掛けたいと思います。
まず札幌ですが、こちらは7日目に富良野特別、8日目には札幌日経オープンが行われる芝2600mをピックアップします。
この条件で顕著な成績差が出ているのは「函館在厩」と「札幌在厩」の数字。函館在厩馬の成績が[1-0-0-12]なのに対して、札幌在厩馬の成績は[2-3-3-6]と圧倒的に札幌在厩馬の成績が上回っています。この差は輸送があるか、ないかという点になりますが、折り合いが重要視される長距離戦だけに前日、当日に輸送のない札幌滞在の方がより折り合いがつくということが考えられます。あと芝2600mという距離はコーナーを計6度周回することになるので、中間の調教時にそのコースを走っていることがコーナーリング時のロスを少なくしてくれるのかも知れません。いずれにせよ、札幌在厩馬の評価を上位にすることが、この条件の馬券的中への近道と思われます。
ちなみに札幌日経オープンで人気を背負いそうなスクリーンヒーローは現在函館で調教中。私は上記のデータに忠実にスクリーンヒーローの評価を下げたいと思います。
続いて今週末に土日合わせて9鞍あるダート1700m。こちらは複勝率30%、複勝回収率182%ある「トラックで本数多く」調教された馬がおすすめ。特に古川吉洋騎手が乗る「トラックで本数多く」の調教タイプは2戦して2着1回3着1回。先週5日目の3歳上500万下ミンナシアワセは複勝で2080円の配当でした。やや強引に捲っていく騎乗が目立つ同騎手にとっては、運動量豊富な調教を消化している馬がピッタリなのでしょう。今週も要注目です。
新潟では芝1600m外回りで2歳Sが行われますが、こちらは今週の
競馬総合チャンネルの「調教Gメン」で解説しますので、当コラムでは7日目にメインレースとしてBSN賞が行われるダート1200mに注目します。
3回新潟で行われたこの条件は11鞍、そのうち6勝が美浦坂路調教馬でした。その6頭の勝ち馬のうち、5頭は4F52秒0以下という速い追い切り時計を出していました。美浦坂路は速い時計が出やすくて有名ですが、それでも52秒より速い時計を出すとなれば、それなりの速力が必要です。そのスピードが新潟のダートを好走するのに適した能力だということです。
ちなみに栗東坂路調教馬は勝利を挙げることができていませんが、併せ馬で先着したという条件を付ければ[0-2-1-1]と複勝率75%の成績は残しているので、調教適性は十分にあると思います。BSN賞ではオフィサーが坂路で併せ馬追い切りを行って先着してくれば、非常に面白い存在になりそうです。
最後に小倉。こちらは2歳Sが行われる芝1200mに注目しましょう。例年なら坂路調教がバンバン好走する時期なのですが、今年に限ってはトラックもしくは併用調教馬の健闘が目立ちます。特に先週は6鞍の芝1200mのうち、坂路調教馬は1勝のみ。坂路調教馬全体の成績は[1-6-1-32]で連対はするけど勝つことができない状況が続いています。
この大きな原因には外差しの不振を挙げることができると思います。小倉芝1200mは開催が進むとトラック調教馬が前半のペースをつくって、坂路調教馬が外から差すという展開がポピュラーですが、それが決まり手になっていない馬場だということです。
その典型例が6日目別府特別のマッキーバクシン。この馬は小倉に滞在して芝コースでのゲート追い切りを行ってレースに出走しました。その結果、スタートを決めてハナを奪っての逃げ切り。
中間にローラー作業をされて馬場が固まると、こういった展開になるのかも知れません。金曜日に発表される馬場情報をよく見て、小倉2歳Sでも小倉芝で追い切りをして出走してくる馬がいれば特注馬として気にしておきたいと思います。
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