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選択するのは「P追い」か「標準多め」か

  • 2008年09月23日(火) 16時40分
 さっそく先週の結果を振り返っていきたいと思います。先週の当コラムで中山芝、セントライト記念は「ポリトラック追い」と「本数多いトラック調教」をキーワードにしていましたが、なんとも複雑な結果に終わりました。

 というのも1着ダイワワイルドボア、2着マイネルチャールズともにトラック調教でしたが、本数が少ない「急仕上げトラック」という本数では標準多めトラックと真逆に位置する調教タイプ。しかしもう一点、この2頭に共通していたのが「ポリトラック追い」です。

 このレースに出走した「ポリトラック追い」は3頭。残りの1頭リノーンリーズンは1角で競走を中止してしまったので、完走した2頭が1、2着を決めた形になりました。

 また3日目芝2500mで行われた500万下ではミヤビベガが5番人気2着、4日目芝1600mで行われた上総特別ではサララが6番人気3着と芝1200m以外の幅広い距離でポリトラック追いが好走しています。

 では芝1200mで好走している調教タイプはというと「坂路」です。2日目に行われた初風特別こそ、トラック調教馬が1、2着しましたが、3着には最低人気のアイオブザキングが入って複勝3170円。坂路調教馬の爆発力を見せてくれました。

 3日目、4日目はセプテンバーS、500万下で1、2着が坂路調教馬。今週は新馬、未勝利を除くと勝浦特別の1鞍しか芝1200mは行われませんが、確実に坂路調教馬で仕留めたいところです。

 問題は今週末のオールカマー。距離は芝2200mでセントライト記念と同じですから「本数多いトラック調教」を狙うのか「ポリトラック追い」を狙うのか。

 これは過去のオールカマーも参考にしながら決めたいと思うので、競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」「速報!調教Gメン」まで答えを先延ばしにさせていただきます。

 阪神は神戸新聞杯が行われる芝2400mに注目。先週末は500万下で1鞍のみ行われましたが、併用調教馬が1、2着を独占しました。

 併用調教馬は3頭しか出走していませんでしたが、うち1頭3番人気のダークジャケットは追い切りの動きからも状態が芳しくないと思えたので、実質2頭の出走で上位を占めたと言えます。

 更に昨年の神戸新聞杯は1、2着は併用調教馬だったことを考えれば、今年の神戸新聞杯も併用調教馬を重視すべきでしょう。

 今週の最後も札幌ダート1700mの「トラックで調教本数多い馬」の先週の成績を振り返ってみましょう。調教タイプで言えば標準多めトラック(トラック主体も含む)になりますが、先週は(1-0-0-5)で未勝利戦のサクラシザーズが1着で単勝1450円という結果でした。

 ここ数週の成績が「単の一発」が多く、非常に狙いにくい印象を残していますが、先週も書いたように標準多めトラックの馬は道中で長く良い脚を使えているので、流れひとつで調教適性を発揮してくれると思います。ですから引き続き札幌ダート1700mは標準多めトラックを狙うことをおすすめします。


調教Gメンとは?
 調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
 調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧&イメージ図
調教タイプ一覧&イメージ図

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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