今週は各競馬場で重賞が行われますので、それらのレースを中心に傾向と対策を立てていきたいと思います。
まず中山ではこの秋最初のG1、スプリンターズSが行われます。先週もお伝えしましたが、芝1200mで好走している調教タイプは「坂路」です。よって、6日目に行われた
勝浦特別は積極的に坂路調教馬を買いましたが、結果はトラック主体に調教されていたハッピービーチが勝ち、2着ロックオブサリサは調教なしという調教タイプでした。
この結果だけ見ると、全く坂路調教馬が有利だと思えませんが、先週も書いたように2日目の
初風特別の3着には最低人気のアイオブザキングが入って複勝3170円。3日目、4日目は
セプテンバーS、
500万下で1、2着が坂路調教馬でした。現時点では勝浦特別の結果だけにこだわらないようにしたいと考えていますが、やはり過去のスプリンターズSの傾向も重要ですから、
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で詳しく分析していきたいと思います。
また中山芝では「ポリトラック追い」が激走の嵐を巻き起こしています。5日目の
500万下牝馬限定戦では5頭のポリトラック追いが出走して1、2、3、5、6着という結果。1頭を軸に据えることができれば6点で3連複4140円の配当を的中させることができます。6日目のポリトラック追いは結果を出すことができませんでしたが、今週も調教欄の「P」の文字には要注意です。ちなみに1200mでの好走例は少なく、1600m以上の距離がベストだと思います。
続いて阪神で行われるのはシリウスS。昨年は中2週のローテーションを1本の馬なり調教で出走(調教タイプは軽目トラック)したドラゴンファイヤーが差し切りを決めたレース。この結果だけ見ると運動量が必要ないレースにも思えますが、この馬が次走ジャパンカップダートで2番人気に支持されていることから、昨年の出走メンバーの中では力が抜けていて、調教適性を凌駕したということでしょう。
そして今年のダート2000mはどんな調教傾向が出ているかというと、特殊な条件だけに4回阪神でもまた2鞍しか行われていません。2日目の
鳥取特別ではトラック調教馬が1、2着。そして6日目の
500万下では1着併用、2着トラックという結果でした。
まだ新設されて間もない時期はジョッキー達がペース配分を手探りでレースをしていたため、スローで落ち着くことが多く、坂路調教馬の瞬発力が有利になっていましたが、最近はある程度のペースになるため、2000mという距離をこなすためのトラック調教で鍛えた運動量が重要だと言えるのでしょう。
特に今年のように特別登録の段階から21頭が参戦の意志があり、フルゲート必至の状況になれば、より一層運動量が重要になるはず。理想はトラックで「本数多く」の標準多めトラックか、トラックで「一杯に追う」の一杯平均トラックの調教タイプでしょう。
札幌では最後を締めくくる札幌2歳Sが行われます。2歳にしては体力が必要となる芝1800m戦。過去3年の1〜3着馬の調教タイプを見ても「トラックで本数多く」の標準多めトラックが必ず1頭は入っています。昨年に関しては1着オリエンタルロック、2着サブジェクトともに標準多めトラックでした。
2回札幌1日目に2歳Sと同じ距離で行われた
コスモス賞では単勝100倍を超える12番人気のモエレピンクレディがメンバー最速の上がりを使って0.3秒差の5着に差しており、最終週の荒れた芝であれば、より一層、標準多めトラックの差し脚が活きるでしょう。今年も出走があれば、絶対に見逃せない調教タイプですよね。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中! どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。
netkeibaPOGがパワーアップ!「POGダービー」参加者どしどし受付中!