東京芝(特に2日目)は
毎日王冠に象徴されるように後半3Fの瞬発力が必要となるレースが目立ちました。
毎日王冠を勝った
スーパーホーネットは併用調教馬でしたが、
ウオッカと
アドマイヤフジは坂路調教馬。着順自体は位置取りで決まってしまったと言ってもよいかも知れませんが、出走メンバーで速い上がりをマークした1〜5位はスーパーホーネットを除いて、すべて坂路で最終追い切りを消化した馬です。
また1日目に3鞍行われた芝2000mでも坂路調教馬の好走が目立ちました。
3歳上500万下は8番人気と5番人気の坂路調教馬で決着して馬連9900円。ちなみに3着も坂路調教馬の
ムービーハウスだったので、このレースでは坂路調教馬が上位を独占しました。
本栖湖特別では3番人気と6番人気の坂路調教馬が2着3着でワイド1330円。
今の東京高速馬場で上位争いするためには坂路調教で鍛えられる瞬発力が必要不可欠と言えるでしょう。
今週末は毎日王冠と同距離の府中牝馬Sが行われますが、牝馬限定戦でペースが落ち着きやすいことを想定すれば、坂路調教のアドバンテージは大きくなりそうです。
あと
オクトーバーSを勝った
ジャガーメイルについて。
この馬はトラック調教馬にも関わらず、坂路調教馬が有利な馬場を33秒2という破格の上がり時計で差し切り勝ちを演じています。調教適性を凌駕した非凡な瞬発力は次走目標とされているアルゼンチン共和国杯でも大きな武器になりそうです。
京都では秋華賞が行われますが、このレースについては、
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」でじっくり解説するとして、ここでは京都芝外回りについて回顧しておきたいと思います。
過去の当コラムを読み返していただければお分かりいただけると思いますが、3回京都の開催では外回りでは坂路で本数多く調教を積んだ「標準多め坂路」が激走を続けていました。
それだけに4回京都になってもその調教傾向が続くのではないかと思っていましたが、先週の成績は下記の通りです。
・
ローズプレステージ 清滝特別(1000万) 5人気3着
・
ゴールドサクセス 500万下 8人気14着
・
ピサノロンシャン 500万下 7人気10着
・
メイショウカチドキ 京都大賞典 10人気4着
連対することなく、ローズプレステージの3着が最上位着順ですが、複勝回収率にすると138%あります。
また京都大賞典では最低人気のメイショウカチドキが3着とはクビ差の4着の走りを見せており、確実に春に有利だった標準多め坂路の調教傾向を引き継いだ状況だと言えます。
開催が進み、馬場が傷めば、更にこの調教傾向が顕著になってくるでしょうから、今週来週あたりから本腰を入れて京都外回りの標準多め坂路を狙い打っていきたいと思います。
標準多め坂路が大活躍している条件がもうひとつ。それが「ダート1800m」です。
この条件はトラックで一杯に追われた馬が好走することが多いのですが、先週に関しては標準多め坂路が[2-1-0-1]と少数精鋭で抜群の成績。
2日目の
3歳上500万下ではワンツーを決めて馬連10760円という配当を演出しています。
もう少し時計の掛かる馬場になれば一杯に追われた馬が好走してくると思いますが、凍結防止剤の散布もない秋の京都開催では、よほどのことがない限り、今の時計の出方に変化はないでしょう。
ただし速いペースになった場合は運動量が必要になり、一杯に追われた馬の差し込みも目立つようになると思いますので「標準多め坂路」と「一杯平均トラック」に注意していただければと思います。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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