もう約3年近くも前になる2006年2月の「フェブラリーS」を制したのは、当時4歳のカネヒキリ。1分34秒9で3馬身差の独走を決め、3歳秋に制したジャパンCダートと合わせ、GI格の重賞4勝となった。
3番人気の同じ4歳ヴァーミリアンが5着。さらに同じ4歳だったサンライズバッカスは12着だったという記録がある。
翌2007年、5歳にになったサンライズバッカスは1分34秒8で「フェブラリーS」を制している。そして今年2008年、6歳になったヴァーミリアンは1分35秒3で「フェブラリーS」を快勝した。
約3年近くの時間は過ぎたが、ヴァーミリアンは3日のJBCクラシックを3歳サクセスブロッケンに勝って、衆目の一致するダートチャンピオン。サンライズバッカスはあまり順調ではなく、最近は3着が多いが、まだ衰えたというほどではない。東京1600mなら好勝負だろう。
そこへ、2度も屈腱炎に悩まされ、合計2年4か月も休んでいたカネヒキリが、4歳6月の帝王賞以来の出走にこぎつけてきた。
もともとダートはベテランの天下だが、現6歳世代のダート界のトップグループは、きわめてタフ。なおかつ、引き下がる気配はまったくない。カネヒキリはウオッカの角居厩舎、武豊騎手。基本距離の1600mはかなりの死角があっても実力通りになることが多い。カネヒキリの復活は十分にありえる。脚部難さえ治れば、衰える年齢でもない。
だが、現3歳世代のダートのトップも光始めている。サクセスブロッケンは3日のJBCクラシックでヴァーミリアンの2着にとどまったが、差はほんの少しだった。
ユビキタスのスケールはすごい。巨漢馬とあって休み明けの前走は(新馬と同じように)負けたが、勝ったのはJBCスプリントの勝ち馬バンブーエールだから、1400mでは仕方がない面もある。今度は楽々と7馬身差の独走を決め、1分35秒1で乗り切っている東京ダート1600m。一度使って迫力のストライドに鋭さが加わってきた。世代交代というわけではないが、ここは3歳ユビキタスのスケールに期待していいだろう。
この距離ベストのアドマイヤスバルと、カネヒキリ本線。穴は、東京だとインに突っ込みたいトーセンブライト(幸運にも内枠を引いた)だろう。初ダートのタケミカヅチはオッズ次第。もまれる危険のある枠順は有利ではないかもしれない。