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武蔵野S

  • 2008年11月07日(金) 12時50分
 もう約3年近くも前になる2006年2月の「フェブラリーS」を制したのは、当時4歳のカネヒキリ。1分34秒9で3馬身差の独走を決め、3歳秋に制したジャパンCダートと合わせ、GI格の重賞4勝となった。

 3番人気の同じ4歳ヴァーミリアンが5着。さらに同じ4歳だったサンライズバッカスは12着だったという記録がある。

 翌2007年、5歳にになったサンライズバッカスは1分34秒8で「フェブラリーS」を制している。そして今年2008年、6歳になったヴァーミリアンは1分35秒3で「フェブラリーS」を快勝した。

 約3年近くの時間は過ぎたが、ヴァーミリアンは3日のJBCクラシックを3歳サクセスブロッケンに勝って、衆目の一致するダートチャンピオン。サンライズバッカスはあまり順調ではなく、最近は3着が多いが、まだ衰えたというほどではない。東京1600mなら好勝負だろう。

 そこへ、2度も屈腱炎に悩まされ、合計2年4か月も休んでいたカネヒキリが、4歳6月の帝王賞以来の出走にこぎつけてきた。

 もともとダートはベテランの天下だが、現6歳世代のダート界のトップグループは、きわめてタフ。なおかつ、引き下がる気配はまったくない。カネヒキリはウオッカの角居厩舎、武豊騎手。基本距離の1600mはかなりの死角があっても実力通りになることが多い。カネヒキリの復活は十分にありえる。脚部難さえ治れば、衰える年齢でもない。

 だが、現3歳世代のダートのトップも光始めている。サクセスブロッケンは3日のJBCクラシックでヴァーミリアンの2着にとどまったが、差はほんの少しだった。

 ユビキタスのスケールはすごい。巨漢馬とあって休み明けの前走は(新馬と同じように)負けたが、勝ったのはJBCスプリントの勝ち馬バンブーエールだから、1400mでは仕方がない面もある。今度は楽々と7馬身差の独走を決め、1分35秒1で乗り切っている東京ダート1600m。一度使って迫力のストライドに鋭さが加わってきた。世代交代というわけではないが、ここは3歳ユビキタスのスケールに期待していいだろう。

 この距離ベストのアドマイヤスバルと、カネヒキリ本線。穴は、東京だとインに突っ込みたいトーセンブライト(幸運にも内枠を引いた)だろう。初ダートのタケミカヅチはオッズ次第。もまれる危険のある枠順は有利ではないかもしれない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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