先週の東京芝では京王杯2歳S、オーロCと1400mでメイン競走が行われました。当コラムでは「坂路で一杯に追われた馬」に注目していただくように推奨していましたが、2歳Sは標準トラック主体のゲットフルマークスが逃げ切りを決めました。
しかし翌日のオーロCは坂路調教馬のヤマニンエマイユとトウショウカレッジが1、2着。4番人気だった馬ナリ平均トラックのサープラスシンガーは16着に沈んでいます。
この差は前半3Fのペースにあったかも知れません。京王杯2歳Sが35.4秒と遅く流れたのに対して、オーロCは34.6秒でした。もちろん2歳と古馬の差はありますが、35秒を切るようなペースで流れてくれれば、坂路調教馬の差し脚が活きるということかも知れません。
今週は1800mで東京スポーツ杯2歳Sが行われますが、昨年はスパルタトラックのフサイチアソートが勝っています。
2歳にしては運動量が必要なレースになるのは間違いありませんが、先週の芝1800mで行われた
ノベンバーSは休養明けのショウワモダンが標準少めトラックで逃げ切り勝ちを決めています。
その勝因は1000mの通過が61.7秒という道中のペースにありそうで、せめて60秒ほどのペースで流れていれば、2、3着だった標準多め坂路キタノリューオー、標準多め併用アブソリュートがショウワモダンを差し切ったと思います。
極端に内が有利な馬場状態も継続している東京芝だけに、逃げ馬に関しては多少調教本数が少なくても警戒する必要はありそうです。
東京で書いておきたいことがもうひとつ。それがダート1600mの本数多い調教タイプ「標準多め(乗込)」です。
通常の東京ダート1600mでは標準多め併用が好成績を残す調教タイプですが、現在の東京ではこの状況になっています。それを顕著に示したのが7日目の
3歳上500万下のグッドチョイス。実は前走も同じ東京ダート1600mを走って7着に敗れていましたが、この時は標準トラック。それが今回は標準多め併用に調教適性がアップしていました。結果的に単勝1200円は非常においしい配当となり、個人的にもこの馬のおかげで助けられました。
この結果を受けて8日目の
3歳上1000万下では乗込坂路のマチカネニホンバレと標準多め坂路主体のランヘランバを◎と○の評価にして3連単27,220円の配当を的中させることができました。
これら3頭に共通するのはある程度の位置につけていること。そこから豊富な調教量で後続を封じ込めるといったレース内容になります。今週行われる3鞍でも調教量豊富な馬に注目してみてください。
先週京都芝で行われた
エリザベス女王杯はトラック調教馬で、しかも本数が少ないリトルアマポーラが勝ちました。休養明けをひと叩きした、というローテーションを除いては調教Gメンから推奨できる理由はなかったのでお手上げのレースです。
また京都芝外回りで「坂路で本数多く」を推奨していましたが、その条件で行われた
比叡Sもトラック調教馬のナイアガラが勝っています。よって京都芝の調教傾向も変わってしまったのかな?思ってしまいますが、先週に関しては雨の影響も多少なりあったはずなので、晴天の良馬場で競馬をすれば、再び坂路で本数多く調教した馬が好走すると思います。
マイルCSは外回りで行われますから、現時点では坂路で本数多く調教している馬を狙いたいと思っていますが、詳しくは
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で触れたいと思います。
ダートについては先々週から1200m、1400mで坂路で本数多く調教している標準多め坂路が好走していることを書いてきましたが、3日目の
円山特別でこの調教タイプのマハーバリプラムが勝って単勝800円の配当をつけています。
このレースには
先々週の当コラムで馬名を挙げたテイエムハヤテオーが好走時と同じ標準多め坂路で出走していましたが、枠順が7番で道中は位置取りを押し上げたくても上げられない混雑した場所にいたので10着と惨敗しています。やはり、コース取りのロスがあっても動きたい時に動ける外枠の方が標準多め坂路の運動能力を発揮できるということでしょう。
マハーバリプラムが10番、そして4日目の
3歳上500万下を勝ったダノンアスカが7枠12番だったことを考えると、せめて10番より外で競馬できる標準多め坂路が好走しやすいと考えてよいでしょう。
福島芝は1200mに注目。
先週の当コラムで「7日目の1R、2Rに行われる予定の2歳戦で馬ナリ平均坂路が好走するようなら今週は馬ナリ平均坂路を狙った方がよい」と書きましたが、このレースを勝ったのが馬ナリ平均坂路と同系統の調教パターンである乗込坂路のフローラルパターンが1着。単勝配当は1990円でした。
その後の1200mでも乗込併用のリトルビスケット1着、
五色沼特別の馬ナリ平均坂路ドンマルゴーが2着と馬ナリ平均系統が好走。翌日の8日目は
3歳上500万下で乗込坂路のニホンピログッデンが2着、複勝880円と馬ナリ平均系統の勢いは止まりませんでした。
福島に関しては8日目が雨中での競馬になっただけに馬場の傷み具合が心配ではありますが、先週同様、9日目4Rに行われる予定の2歳未勝利戦の状況を見て、馬ナリ平均坂路系統を狙うかどうか決めてください。
ちなみに、福島記念が行われる芝2000mですが、6日目と7日目の500万下の結果を見ると運動量が標準より多い調教タイプ(一杯平均、標準多め、スパルタなど)の坂路調教馬に有利な馬場だという傾向が出ていますので、このところ人気を裏切っているマイネルキッツには非常に調教適性が向くレースになりそうです。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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