今週は阪神ダート1800mでジャパンカップダートが行われますが、こちらの調教傾向や展望に関しては「今週の調教Gメン」でじっくり解説致します。
というわけで今週は最近、活躍が目立っているポリトラック調教馬について深く解説していきたいと思います。
その代表的だったのがGI初挑戦にしてジャパンカップを制した
スクリーンヒーロー。
もちろん実績的には不安要素の多い馬でしたが、速報!調教Gメンの「注目データ」として取り上げたようにスクリーンヒーローが中間に行っていた「乗込トラック主体かつポリトラック追い」という調教は4、5回東京芝重賞で2戦2勝(アルゼンチン共和国杯のスクリーンヒーロー、東京スポーツ杯2歳Sの
ナカヤマフェスタ)の調教パターンだったので、調教から見れば勝っても不思議ない調教適性を持っていたと言えます。
また左回りが懸念された
マツリダゴッホも0.2秒差の4着と健闘したわけですが、スクリーンヒーローとマツリダゴッホの共通点は「ポリトラック追い」です。
実は最近の重賞で活躍している関東馬のほとんどがポリトラック追いで、4回中山芝重賞に出走したポリトラック追いも[2-1-0-5]と好成績を残しています。
馬券的にも単勝回収率316%、複勝回収率110%と非常に狙える調教条件ですし、4鞍のうち2勝をしているという点で中山芝に非常に適性の高い調教だったとも言えます。
また4回中山芝での「乗込トラック(主体含む)」「乗込併用」の成績は[2-3-1-5]で複勝率は50%を超えており、回収率は238%と馬券に使える調教タイプでした。
ポリトラックと乗込に共通するのは「スピード」。
ポリトラック馬場は芝に近いクッションの下地で非常に時計が出やすい馬場です。ですから、よりレース時に近いスピードを体感できるという意味でスパーリング効果の高い馬場ではないかと思います。
乗込は馬なりを本数多く調教する調教タイプのことですが、馬なりの調教しか行わないのは馬自身のスピード能力が長けているので、一杯に追わなくても十分なスピード的負荷をかけることができているということなのです。
つまり中間の調教を乗込でこなし、最終追い切りをポリトラックでこなすというのは非常にスピードに優れた調教内容だということです。
ただし軽い馬場でのスピード能力に優れているので、時計の掛かる馬場、いわゆる力のいる馬場ではウッドチップ馬場で目一杯追われているようなパワータイプに調教適性で劣ってしまうという弱点はあります。
この調教パターンのメリットとデメリットを押さえていれば、開幕週は乗込やポリトラックを狙い、馬場が荒れて外差しが決まるような馬場になれば、強い調教を本数多くこなしているような調教タイプ(スパルタや標準多め)を狙えばよいわけです。
ちなみに2007年5回中山で行われた芝重賞でも
ゴスホークケン(朝日杯FS)、マツリダゴッホ(有馬記念)がポリトラック追い優勝しています。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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