馬券の妙味はたぶんないと思えるが、土曜の注目は阪神のラジオNIKKEI杯2歳S(2000m)。先週、朝日杯FSをセイウンワンダーが勝って4戦3勝となったが、互角か、あるいはそれ以上の評価を受けているリーチザクラウン、そして2戦2勝のロジユニヴァースが登場する。
リーチザクラウンは、1800mを1分47秒4で独走のあと、前走の千両賞(1600m)に出走したが、エリカ賞(2000m)では中1週になってしまうからだった。確実に2勝してのちのステップレースに出走できる賞金を獲得することと、ここへ向けてのローテーションが理由だった。
圧勝のレースぶりから、スケールは文句なし。ひょっとすると、母の父シアトルスルーの影響もあって平均ペースを好むワンペース型(?)の心配がないでもないが、それだけに今回の距離2000mは歓迎だろう。目標になってもスピードの差で押し切れるとみる。
当然、怖いのは目標を定めて進めるロジユニヴァース。7月の新馬はむしろ2着のブロスアンドコンズの方が上と思えたが、再鍛錬した札幌2歳Sでは26kgも大きくなり、体つきが変わっていた。今年の札幌は時計が速かったとはいえ、1分49秒1はジャングルポケットやアドマイヤムーンのそれを大きく上回るレースレコードである。この中間、さらに体つきがたくましくなっている。使っては再鍛錬、また使っては再鍛錬で2連勝。リーチザクラウン逆転もある。以下ファミリズム。穴馬はやけに中間のデキがいいラヴィンライフとしたい。
ところで、人気の2頭が強烈な勝ち方をしたら、2歳チャンピオンの票は割れるのだろうか。それともGIを勝ったからこれまで通りセイウンワンダーなのだろうか。興味がある。
リーチザクラウンの母の父シアトルスルーは、2歳時3戦3勝。アメリカだからもっと勝っている馬も、賞金獲得組上位の馬もいたが、2歳チャンピオン(年度代表部門)は、当然のようにシアトルスルー(やがて無敗の3冠馬)だったという記録がある。
日本には牡牝ともに、GI格の芝のレースは1つずつしかない。チャンピオンはいつも阪神JFの勝ち馬にほぼ決まっている。年度代表馬の部門賞の古馬はタイトル数や、レースの重要性だろうが、エクリプス賞もカルティ賞も、2歳馬に関してはもっと柔軟な一面がある。2000年の2歳牝馬部門、なぜかベテラン記者の方がアグネスタキオン票が多く、意外や若い記者がメジロベイリーを主張した記憶がある。別に変でもないが、なんとなく不思議な気がした。