私どもが製作しているUHF系テレビの中央競馬ワイド中継では、競馬ファンの投票による“2001年ベストレース・オブ・ザイヤー”を選出しました。そこから読み取れるものについて述べてみます。
第1位がジャパンCダート、続いてジャパンC、エリザベス女王杯と選ばれ、この種の企画では必ず上位に入るダービーや有馬記念はベスト3には入りませんでした。
時代が流れ、今の日本の競馬に何が望まれているかを感じます。
今回の投票でベスト10入りしたレースの中に、G1ではない武蔵野Sが第6位にランクされていたのですが、とてつもなく強いと思わせる勝ち馬の出現こそ、多くが待望していることであり、その勝者クロフネに、海外での活躍を熱望した様子がはっきり見て取れました。ジャパンCダートの勇ましい勝ち方は、正にそれに拍車をかけることになっていたのです。
残念ながらクロフネの引退によって、その願いは届きませんでしたが、ジャングルポケットはじめ、ドバイ遠征組にその思いはバトンタッチされています。
いくら国際レースであろうとも、今や、アウェーでの勝利でないことには納得しないところまで来ています。
その昔、世界に通用する強い馬づくりをスローガンに始められたジャパンCも今年が22年目。ジャパンCダートも誕生して日本馬が2連勝と、日本のサラブレッドも世界レベルに到達したと見ていいでしょう。世界もそれを認めているようです。
その意味でも、今年は大切な年になっていると言えます。暮れの香港国際レースでの日本馬の大勝は、強力な後押しになり、確かに世界への弾みになりました。とにかく、楽しみはふくらみましたが、競馬のスポーツ性がこんなに注目されたことは、かつてなかったことです。