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京都外回りは内通る標準多め

  • 2009年01月13日(火) 16時00分
 早速、先週の結果を振り返っていくことにしましょう。

 まず中山芝ではフェアリーSが行われました。

 勝ったジェルミナルは前走の馬体減が影響して今回の調教は開始が遅く、本数も少ない人気馬としては危険な調教パターンでしたが、そんな不安を全く問題にしない強い勝ち方でした。

 2着にも本数少ないアイアムネオが入ったので、このレースだけ見てしまうと中山芝は本数が少なくても大丈夫と思ってしまいますが、3日目に同じ1600mで行われたニューイヤーSではスパルタ併用のマヤノツルギが勝っているので、フェアリーSはレベルの低い牝馬限定戦だったため、調教量が少なくても好走できたと判断するべきでしょう。

 そして気になるのは今週の京成杯。

 こちらは競馬総合チャンネル速報!調教Gメンで過去のレース傾向と現在の中山芝2000mの調教傾向を探っていきたいと思います。

 次に京都ですが、芝ではシンザン記念が行われました。

 競馬総合チャンネル速報!調教Gメンでも取り上げたレースですが「坂路で追い切った馬」にこだわったため、勝ち馬アントニオバローズを本命視することができませんでした。

 しかしアントニオバローズの調教タイプは標準多め坂路主体で京都金杯を勝ったタマモサポートの標準多め坂路とは非常に似た調教タイプ。

 2着ダブルウェッジは標準多め併用だったため「標準多め」というキーワードにこだわれば5頭ボックスで馬連が的中していた可能性があります。

 ただ4日目7R・4歳上500万下エーケーサンライズ(1着)、11Rダブルウェッジは小牧太騎手が乗っていましたが、ともに京都芝外回りのレースで最内にこだわる騎乗をしました。

 エーケーサンライズが標準多めトラックだった点から本数多い「標準多め」に調教適性がある馬場なのは確かですが、それと同時に内を回らないと伸びない馬場ということも頭に入れて置かないといけません。

 もちろん今週末に行われる日経新春杯も京都外回りで行われるので例外ではありません。

 続いてダートですが、こちらは馬券的に最も熱い条件が揃っています。そこでその条件と調教タイプもしくは調教パターンをじっくりと解説します。

京都ダート1800m『スパルタトラック』
単回収1590% 複回収258% [2-0-0-3]

 先週の当コラムでスパルタの好走について書きましたが、それが継続したのが1800m。

 3日目3R・未勝利戦で単勝1.3倍のレッドサーパスを差し切ったシルバーキング3日目9R・飛梅賞で見事な逃げ切りを演じたメイショウダグザと脚質問わずに好走しています。

 例年なら雨の影響を受けて非常に時計の速い京都ダート1800mですが、今年に限っては凍結防止剤の影響もあってか、時計の掛かる馬場になっています。

 開幕週から本数多い調教タイプの標準多めや乗込が好走していましたが、これらの調教タイプよりさらに運動量豊富なスパルタの方が馬券的にはおいしくなります。

京都ダート1200m『最終追い切りが栗東Bコース』
単回収199% 複回収297% [1-2-2-4]

 実は1日目にも3歳未勝利戦でこの調教条件に該当したニシノミーチャンが2着で複勝1260円という波乱を演じています。

 通常時にも京都ダート1200mでは好成績を残しているBコース追いですが、今開催に関しては更に勢いを増して好走しています。

 これは冬場特有の凍結防止剤を撒いた馬場状況(栗東トレセンでも撒かれている)が似ているという理由かも知れません。

 ちなみにBコースで追い切られた馬が京都ダート1200mで好走する理由は、京都ダート1200mに似たコース形状のBコースで追い切られると、実戦により近い感覚で勝負どころからの加速を練習することができ、坂路で追い切られた馬に比べてタイトなコーナーリングが可能だという論拠です。

 最後に中京。

 ダートに関しては2週前の当コラムで書いた内容と変わらず、運動量が必要な馬場であることは間違いありません。

 しかし芝に関しては極端に「内が伸びない」馬場になりました。その結果、一杯平均坂路やスパルタ坂路といった調教タイプの差しが決まるようになっています。

 典型的なのは2日目9R・4歳上500万下ヒカリベルサイユ。道中はじっと後方で待機しましたが、勝負どころからじわりと位置取りを上げて直線半ばでは内で伸びあぐねる馬を尻目に豪快に伸びました。

 続く2日目10R・千種特別では乗込坂路のメイショウナイトが同じような競馬内容で1着。

 少し上がりが掛かる馬場状態というのがパワーのある坂路調教馬にとっては願ってもない馬場状態なのだと思います。

 今週も引き続きCコースで競馬が行われるので、差し脚質の坂路調教馬には注目してみてください。


調教Gメンとは?
 調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
 調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧&イメージ図
調教タイプ一覧&イメージ図

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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