まずはお詫びです。

　先週の当コラム内にて競馬総合チャンネルの速報!調教Gメンで京成杯の調教傾向を分析すると書いていましたが、実際には日経新春杯の調教傾向を分析する結果となりました。

　週末に京成杯の分析を期待されていた方にはお詫び申し上げます。

　さてその京成杯は過去5年の勝ち馬はトラックか併用調教馬のレース。

　その過去の調教傾向通り、今年の京成杯も1〜3着までトラック系統の調教タイプが占めました。

　例年、出走頭数が少ない京成杯は道中のペースが遅く、普段から円形馬場で立ち回りが鍛えられているトラック調教馬には最適のレースだと言えます。

　昨年末に同距離で行われた2歳オープンのホープフルSは1000mの通過が京成杯よりも1.7秒速かったため、1着が併用、2着3着は坂路と京成杯とは全く違う調教タイプが好走しています。

　よって同じ世代のオープン戦であってもペースひとつで好走する調教タイプが違うのが中山芝2000mということです。

　今週末は2200mでAJCCが行われますが、昨年は1着から3着までを標準多めトラックが占めました。

　しかし出走予定馬の中間の調教を見る限り、ジャスト該当する馬が見当たらないことに加えて出走頭数が少ないことで昨年のような運動量が求められるレースにはならないかも知れません。

　今週の追い切りと出走馬が確定してみないことにはなんとも言えませんが、現段階では好走する調教タイプが読みにくいレースになりそうです。

　続いて京都芝。

　先週の当コラムのタイトルが「京都外回りは内通る標準多め」、この通りに狙えば、標準多め坂路のテイエムプリキュアは十分注目することができた馬だったと言えます。

　また3着には標準多め併用のタガノエルシコが入り、京都芝外回りでの「標準多め」の信頼度の高さを印象付ける結果となりました。

　京都ダートについては先週の当コラムで1200mと1800mでそれぞれ狙える調教パターンを書きましたが、その結果を検証してみましょう。

　まず1200mのBコース追い。

　全体の成績は[1-1-0-6]ですが、単勝回収率235%で馬券への役立ち度はAクラスです。

　また該当馬8頭のうち、人気より着順が下回ったのは1頭しかおらず、あとはすべて人気よりも着順を上げていました。

　これはBコース追い切りで鍛えられた立ち回りの巧さが確実に上位争いできることを示しており、適性面においては他の調教パターンより優れているということだと思います。

　1800mではスパルタトラックを紹介しましたが、先週に限っては該当馬が1頭で馬券に絡むことはできませんでした。

　しかし併用と坂路を含む「スパルタ」と対象を拡大すると、先週の成績は[1-0-1-3]で単勝回収率282%とこちらも馬券への役立ち度はAクラスです。

　今週末に行われる平安Sにもこの調教パターンは通用するのでしょうか？過去のレース傾向も含めて、今週末の速報!調教Gメンで分析したいと思います。

　最後に中京の芝。

　先週の当コラムでは「極端に「内が伸びない」馬場になりました。その結果、一杯平均坂路やスパルタ坂路といった調教タイプの差しが決まるようになっています」と明記しましたが、まさにその通りの結果。

3日目尾頭橋特別
1着ハギノジョイフル　スパルタ坂路
2着ニシノレイチェル　一杯平均坂路

4日目美濃特別
1着コラデピーノ　標準多め坂路
2着ダイワオージー　標準坂路

　特に美浦坂路調教馬のコラデピーノは単勝4500円と人気薄での激走でした。

　また4日目9R芝1200mで単勝11890円という大波乱を演じたコンプリートランも美浦坂路調教馬です。

　先週の競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で美浦坂路と中京の3〜4コーナーの形状が似ていることを書きましたが、まさにそれがアドバンテージとなっているのが今の中京芝なのです。

　雨の影響を懸念しましたが、幸い競馬中の降水量はさほどでもなかったようなので、今週末も引き続き坂路調教馬、特に美浦坂路調教馬の激走には注意したいところです。


調教Gメンとは？
　調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例：一杯)を確認するだけでOK。

調教コース＆調教タイプの考え方
　調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】　ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】　坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】　トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】　トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】　トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧＆イメージ図

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　どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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