早速ですが、週末にクイーンCが予定されている東京芝から見ていきましょう。
クイーンCと同距離の芝1600mは3レース行われていますが、ここで目立ったのは栗東坂路追い切り馬。該当馬が4頭いて[0-2-1-1]という成績でした。
1着こそありませんが、複勝回収率は378%。開幕週には東京新聞杯で
キャプテンベガが好走していましたが、開催が進んでより一層馬券に使える調教パターンになりました。
過去のクイーンCではライラプスやダイワエルシエーロといった勝ち馬が栗東坂路追い切り馬でしたから、このレースに対する調教適性も十分あると言えます。
8日目には今年最初のGI、フェブラリーSがダート1600mで行われます。先週はヒヤシンスS、4歳上1000万下といったレースがダート1600mでしたが、勝ち馬の調教タイプは乗込併用、標準多め併用と東京ダート1600mらしい結果でした。
詳しくは
競馬総合チャンネルの「速報!調教Gメン」で解説しますが、7日目に行われる白嶺Sでも先週と同じように本数の多い併用調教馬が勝つようであれば、フェブラリーSはこの調教タイプの勝利が濃厚だと思っています。
京都では芝1800mで
きさらぎ賞が行われ、標準多め併用の
リーチザクラウンが勝ちました。しかしこのレースで最も重要なのは3着エンブリオ、一杯平均トラックです。
実は先週行われた1800m以上の芝外回り戦(新馬を除く)では「一杯平均」「スパルタ」といった調教タイプが大激走しています。
【5日目】
3歳未勝利(芝2200m)/
メイショウケンロク スパルタトラック 6人2着
【6日目】
琵琶湖特別(芝2400m)/
エターナルクラウン 一杯平均トラック 5人2着
飛鳥S(芝1800m)/
マッハジュウクン スパルタ坂路 9人3着
きさらぎ賞(芝1800m)/
エンブリオ 一杯平均トラック 10人3着
ご覧のように、芝外回りのすべてのレースで馬券圏内に絡んでいます。
ちなみに今週は2200mで京都記念が行われます。実は過去5年の京都記念でも2004年から3年連続でスパルタトラック、もしくは一杯平均トラックが馬券圏内に入っており、その複勝回収率も100%を超えています。
現在の馬場も過去の傾向も一杯平均、スパルタには有利な材料が揃っているだけに、今年の京都記念はこの調教タイプに注目するべきでしょう。
ダートに関してはオープン特別の1800m・
アルデバランSで1分49秒2という破格の時計が出ました。未勝利や500万下でも例外なく時計が出ましたし、馬場が稍重に回復した
6日目12Rの1000万下でも1分51秒0と速い時計で決着しました。
この時計の速い馬場の影響で、先週まで好走を見せていた一杯平均系統の好走が半減。調教タイプよりもスピード能力の絶対値が高い馬が好走する馬場になってしまいました。
冬の京都ダートは凍結防止剤が重い馬場を演出してくれていましたが、最近の暖冬傾向で凍結防止剤が撒かれていないのだと思います。今週も極端に寒くなるということがなさそうなので、凍結防止剤が撒かれることはないでしょう。そうなれば先週同様に時計の速い馬場になって、調教タイプから傾向を掴むのは難しくなりそうです。
最後に小倉。ダートは京都と同じ原因で時計の速い馬場でした。よって調教タイプで傾向を掴むのは難しかったと言えます。
逆に調教傾向が顕著に出たのが芝1200mです。開幕週には内を通らないと差せない馬場状態だったものが、1週の開催であっという間に外差しの馬場になってしまいました。
ただ単純に外から差せる馬というだけでなく、調教タイプで言えば「一杯平均坂路」「スパルタ坂路」という無酸素運動を極限に鍛えた馬が好走しています。
4日目の3歳未勝利戦でスパルタ坂路の
オカゲサマデが6番人気3着。今まではダート1800mしか経験のなかった馬が全く違う条件になってこれだけ走れたのですから、調教適性が他よりも優れていたのは明らかです。
この結果を受けて、
9Rの4歳上500万下は一杯平均坂路
エースデヨバンの好走を確信しました。個人的には複勝勝負に出て結果3着、その配当が910円と大正解の馬券になりました。
12R帆柱山特別の芝1200mには一杯平均、スパルタの坂路調教馬が出走していませんでしたが、「運動量が豊富」という意味で共通点がある標準多め併用の
マルターズロビンが7番人気1着。直線に向くまでじっとして直線一気に賭けた赤木騎手の乗り方を見る限り、運動量豊富な調教タイプがこの騎乗をしてくれれば、大外からでも差しが決まるという印象を受けました。
今週からはBコースへ仮柵移動があるため、競馬内容を見極める必要はありますが、基本的には「一杯平均」「スパルタ」「標準多め」という調教タイプは有利にレースを運ぶことができそうです。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中! どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。
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