先週から中京開催がスタートしましたが、中京の馬券は絶不調。
当コラムでじっくり検証した
中京記念も前半3Fが33秒台だったにも関わらず、トラック調教馬の1着2着と予想を外してしまいました。
得意なはずの芝1200mでも結果は出ず、思いのほか内が有利な馬場状態が例年の春の中京と違った調教傾向を見せているのかなと思っています。
そんなわけで今週は中山と阪神を重点的に検証対象にしたいと思います。
まず中山ではフラワーCとスプリングSの2重賞が行われます。その中でも先週の
中山牝馬Sと同じ「牝馬限定の芝1800m」という条件で行われるフラワーCを検証してみたいと思います。
過去5年のフラワーCは1番人気が5年連続連対中です。ちなみにその調教タイプは、
2004年 1着 ダンスインザムード/馬ナリ平均トラック主体
2005年 1着 シーザリオ/標準坂路
2006年 2着 フサイチパンドラ/標準併用
2007年 1着 ショウナンタレント/馬ナリ平均トラック
2008年 1着 ブラックエンブレム/標準多め坂路
調教馬場は問いませんし、標準以上の調教本数も必要ありませんが、軽目・標準少め・急仕上げといった「本数が少ない」調教タイプは1頭もいませんでした。
今年の1番人気は前走クイーンCを勝った
ディアジーナになりそうです。しかし中3週のローテーションにこの中間は1本の調教しかありませんから、現時点では本数が少ない調教タイプになることが濃厚です。
先週の中山牝馬Sを勝った
キストゥヘヴンは標準多め併用という運動量豊富な調教タイプでした。よって本数が足りないことが予想される今年の1番人気は、例年に比べて信頼度が低いのではないでしょうか?
そこで注目したのが過去5年のフラワーCで馬券的においしい調教タイプ。
乗込坂路[0-1-1-2] 複回収238%
標準多め坂路[1-1-1-3] 複回収127%
上記はどちらも「坂路で本数多く」の調教タイプです。先週の中山牝馬Sで15番人気2着だったピンクカメオが乗込坂路だったことも考慮すると、今年のフラワーCで馬券の鍵を握る調教タイプは乗込坂路もしくは標準多め坂路かも知れません。
続いて阪神の芝。
先週は桜花賞トライアルの
フィリーズレビューが行われましたが、
競馬総合チャンネルの「速報!調教Gメン」で注目データとして取り上げていた「坂路4F時計が速い」の項目でメンバー最速だった
レディルージュが15番人気という低評価ながら3着に激走しました。
これで新装阪神競馬場で行われるようになったフィリーズレビューでは坂路追い切りで4F時計の出走メンバー最速馬が3年連続馬券に絡んでいます。
さて今週は3000mの長丁場、阪神大賞典が行われます。
こちらも新装されてからの阪神競馬場で行われたのは過去2年。そしてその2年はどちらも勝ち時計が3分08秒台、上がりが34秒後半で先行決着というほぼ同じ内容です。
今年の方が出走頭数が揃う可能性はありますが、時計が掛かる馬場でもあり、勝ち時計とレース上がりはほぼ同じ数字になりそうです。そうなると昨年の勝ち馬アドマイヤジュピタの「標準多め坂路」に注目します。
2007年は馬券にこそ絡めていませんが、標準多め坂路のアマノブレイブリーが単勝220.4倍という超人気薄ながら5着。先行してあわやの見せ場を作っており、直線でほぼ同じ位置にいたトラック調教馬のファストタテヤマに競り勝って0.2秒先着しています。
当時1000万下のアマノブレイブリーが菊花賞2着馬ファストタテヤマと競り合って1馬身先着するということはそれだけ阪神大賞典では「標準多め坂路」に調教適性があるということです。
今年の特別登録馬では
ダブルティンパニーあたりが坂路で非常に本数多く調教を積んでいる先行馬ですから、出走してくれば非常に面白い存在になりそうです。
最後に阪神のダート。1200mから1800mまで距離に関係なく激走中なのが「一杯平均」です。
その成績は[7-6-7-31]と複勝率が40%近くあります。
6日目7Rの4歳上500万下では1着から3着までを一杯平均が独占し、3連複が12万馬券となりました。
通常でも一杯平均系統が好走する阪神ダートですが、今年からクッション砂の厚さを従来の8.0cmから8.5cmになっており「より重たい」ダートになっていることが一杯平均の好走に拍車をかけていると思われます。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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