今週は中京競馬場で高松宮記念が行われますが、こちらの検証は
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で重点的に行うとして、当コラムではその他に行われる重賞を中心に過去の調教傾向を分析してきます。
まずは土曜日に行われる3歳重賞の毎日杯。
阪神芝1800m外回りという条件で行われるようになってから3回目を迎える今年ですが、過去2年の1〜3着馬の調教タイプを見れば、その傾向は一目瞭然です。
2007年1着
ナムラマース/標準トラック主体
2着
ヒラボクロイヤル/標準多め坂路
3着
ニュービギニング/標準多めトラック
2008年1着
ディープスカイ/標準多め併用
2着
アドマイヤコマンド/乗込坂路
3着
ミダースタッチ/標準多め坂路
ナムラマースを除いた馬券圏内の5頭はすべて本数の多い調教タイプです。
牡馬混合の阪神芝1800mで行われる重賞では鳴尾記念もありますが、このレースも標準多め坂路や標準多め併用が非常に強いレース。きっと阪神芝1800mの外回りという舞台設定が好走する調教タイプの傾向を顕著にしているのでしょう。
特別登録の時点で出走順位が上位で、かつ人気になりそうな馬はほとんど標準の本数での出走になりそうです。
現時点で調教本数が多く「標準多め」で出走できそうな
ゴールデンチケットや
ハマノエルマーは抽選対象ですが、今週の追い切りをきっちりこなして抽選を突破すれば、馬券的には非常に面白い存在になってくれそうです。
日曜日には中山でマーチSが行われます。このレースの特徴は「一杯平均」「スパルタ」の好走です。
2007年に9番人気で1着だった
クワイエットデイが一杯平均トラックだったのをはじめとして、2006年の10番人気2着
プライドキムがスパルタ坂路など「一杯に追われる」調教タイプが好結果を残しています。
その成績は[2-2-0-9]と連対率にすると目立ちませんが、単回収率199%、複回収率176%と馬券的には妙味のある調教タイプです。
そして過去5年の1着馬の調教タイプは、
2004年 アンドゥオール/一杯平均トラック
2005年 クーリンガー/標準トラック
2006年 ヒシアトラス/標準トラック
2007年 クワイエットデイ/一杯平均トラック
2008年 ナナヨーヒマワリ/標準トラック
なので勝ち馬選びは標準トラックか一杯平均トラックが理想です。
最後にこの開催で最も安定感のある「阪神ダートの一杯平均系統」。
複勝率は先週の40%近い数字から23%と下がってしまいましたが、単回収率は7日目6R
グランプリエンゼルの単勝3130円という配当もあって100%を超えています。
馬券になっていないところでも7日目には、
1R
キャラバンシチー 一杯平均坂路/13番人気4着
8R
サンシーズン スパルタトラック/14番人気5着
9R
タガノシャンハイ 一杯平均坂路/12番人気5着
などなど二桁人気にも関わらず掲示板には載ってくる馬が数多くいる状況です。
雨の影響で脚抜きが良くなった8日目は7日目ほどの活躍ができませんでしたが、12Rでは
インプレッションが一杯平均坂路で15番人気2着という激走を見せていますから、とにかく阪神ダートは一杯平均系統です。
ちなみにこの調教タイプの判別方法ですが、
中1週の馬であれば調教欄に「一杯」が1本もしくは、「一杯」と「強め」の2本などであれば一杯平均かスパルタに該当します。
中2週の馬であれば調教欄に「一杯」と「強め」で一杯平均に該当しますが、「一杯」と「馬なり」では該当しません(この場合は標準になります)。また「一杯」と「強め」が2本あればスパルタに該当します。
なお「一杯」が1本しかない場合は急仕上げという調教タイプになるので、一杯平均にもスパルタにも該当しません。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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