競輪
標準多め坂路が波乱を演出
- 2009年03月31日(火) 11時00分
先週で中京開催が終了し、今週は中山と阪神の2場開催となります。
よって中山と阪神の回顧および検討を中心に、軽く高松宮記念を回顧しておきましょう。
今年の高松宮記念は3週目、Aコースで行われたことが大きく影響したようで、例年よりもトラック調教馬が苦戦。
キンシャサノキセキ／標準多めトラック 5番人気10着
アーバニティ／乗込トラック 6番人気14着
ビービーガルダン／標準トラック 4番人気16着
上位人気に支持されたトラック調教馬はこのような成績でした。もし来年も同じような開催日程、馬場状態でレースが行われるようなら、今年のように「先行できる」「内枠」の坂路調教馬が有利なレースになるでしょう。
さて今週。まずは中山の芝を見ていきましょう。
先週の日経賞で1番人気ネヴァブションが馬ナリ平均坂路で7着惨敗。勝ったAJCCが乗込トラックだったので、馬ナリ平均坂路で勝てなかったことは納得ですが、勝ち馬から1.5秒も離されたのは、今の中山芝に対して調教適性がなさすぎたということでしょう。
今週は1600mでハンデ戦のダービー卿CTが行われます。過去3年の1〜3着馬の調教タイプは、
2006年
1着 グレイトジャーニー／標準多め坂路
2着 キングストレイル／標準多め坂路
3着 キネティクス／標準多め坂路
2007年
1着 ピカレスクコート／標準坂路
2着 コイウタ／馬ナリ平均坂路
3着 マイネルハーティー／馬ナリ平均坂路
2008年
1着 サイレントプライド／標準多め坂路主体
2着 ドラゴンウェルズ／標準多め併用
3着 ダンスフォーウィン／馬ナリ平均トラック
目立つのは標準多め坂路。2007年は出走なし、2008年はピンクカメオ1頭という該当馬しかいませんでしたが、3頭の該当馬がいた2006年はその3頭で決着。3連単125万の超大穴馬券でした。
2006年に代表されるように標準多め坂路は人気薄での好走が多く、過去5年で[2-2-1-6]という成績で単回収419％、複回収390％とこれ以上ない高成績を残しています。
日経賞の結果から、今年の中山芝は調教本数が必要な状態であることは間違いないので、今年のダービー卿CTも標準多め坂路に期待しましょう。
現時点ではキャプテンベガが最終追い切りを坂路で行ってくれれば標準多め坂路で出走できそうな調教内容なので、最終追い切りには注目しておきたいと思います。
続いてダート。特に1800mでは乾いた状態でレースが行われたこともあり、一杯平均やスパルタといった「一杯に追われる」調教タイプの好走が目立ちました。
ちなみにマーチSでは、
ダイショウジェット／一杯平均トラック 13番人気2着
トーセンアーチャー／スパルタトラック 10番人気4着
ユウキタイティ／スパルタ坂路 14番人気6着
と人気薄ながら上位争いをしています。
特にトーセンアーチャーはサトノコクオーとの競り合いでハナ差負けてしまいましたが、実質2着争いをしていましたし、ユウキタイティは先行して直線半ばまで見せ場十分でした。
また3歳未勝利戦でも1日目2Rで一杯平均坂路のフレイムプリーストが勝って、一杯平均トラックのモリトキボウが2着で馬連14000円という配当がありました。
天候に恵まれたことでようやくクッション砂が8.5�僂砲覆辰晋�果が表れてきたというところでしょう。今週末も雨が降らないようであれば、同じ傾向が続くと考えてよいでしょう。
阪神では毎日杯が行われました。先週の当コラムでは「標準多め」への注目を記していましたが、その期待に応えてくれたのが標準多め坂路のゴールデンチケットでした。
前走が地方交流競走での勝利だったこともあって、12番人気と低評価でしたが、抜群のスタートを決めて直線は豊富な運動量を活かした粘り強い走りを見せてくれました。
また2日目の心斎橋Sは芝1400mと運動量はさほど必要ない条件ですが、1着一杯平均トラック、2着乗込坂路、3着一杯平均坂路という結果だったので、芝は確実にパワーが必要な状態になっていると思います。
この傾向から今週行われる重賞、大阪杯も運動量が重要なファクターになりそうです。詳しくは競馬総合チャンネル「速報！調教Gメン」で解説したいと思います。
最後にダート。これは毎週のように書いている「一杯平均」が引き続き好走を続けています。1日目陽春Sは1着一杯平均トラック、2着連闘坂路、3着スパルタ坂路で3連単が200万超えでした。
1番人気スリーアリストが調教本数不足の標準少めトラックだったこともこの波乱につながったと思いますから、1番人気が調教量不足の場合には、積極的に人気薄の一杯平均を狙ってほしいと思います。
調教Gメンとは？
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例：一杯)を確認するだけでOK。
調教コース＆調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧＆イメージ図
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どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。
前日の23:59まで指名OK！「POGダービー」はまだまだ参加可能！
よって中山と阪神の回顧および検討を中心に、軽く高松宮記念を回顧しておきましょう。
今年の高松宮記念は3週目、Aコースで行われたことが大きく影響したようで、例年よりもトラック調教馬が苦戦。
キンシャサノキセキ／標準多めトラック 5番人気10着
アーバニティ／乗込トラック 6番人気14着
ビービーガルダン／標準トラック 4番人気16着
上位人気に支持されたトラック調教馬はこのような成績でした。もし来年も同じような開催日程、馬場状態でレースが行われるようなら、今年のように「先行できる」「内枠」の坂路調教馬が有利なレースになるでしょう。
さて今週。まずは中山の芝を見ていきましょう。
先週の日経賞で1番人気ネヴァブションが馬ナリ平均坂路で7着惨敗。勝ったAJCCが乗込トラックだったので、馬ナリ平均坂路で勝てなかったことは納得ですが、勝ち馬から1.5秒も離されたのは、今の中山芝に対して調教適性がなさすぎたということでしょう。
今週は1600mでハンデ戦のダービー卿CTが行われます。過去3年の1〜3着馬の調教タイプは、
2006年
1着 グレイトジャーニー／標準多め坂路
2着 キングストレイル／標準多め坂路
3着 キネティクス／標準多め坂路
2007年
1着 ピカレスクコート／標準坂路
2着 コイウタ／馬ナリ平均坂路
3着 マイネルハーティー／馬ナリ平均坂路
2008年
1着 サイレントプライド／標準多め坂路主体
2着 ドラゴンウェルズ／標準多め併用
3着 ダンスフォーウィン／馬ナリ平均トラック
目立つのは標準多め坂路。2007年は出走なし、2008年はピンクカメオ1頭という該当馬しかいませんでしたが、3頭の該当馬がいた2006年はその3頭で決着。3連単125万の超大穴馬券でした。
2006年に代表されるように標準多め坂路は人気薄での好走が多く、過去5年で[2-2-1-6]という成績で単回収419％、複回収390％とこれ以上ない高成績を残しています。
日経賞の結果から、今年の中山芝は調教本数が必要な状態であることは間違いないので、今年のダービー卿CTも標準多め坂路に期待しましょう。
現時点ではキャプテンベガが最終追い切りを坂路で行ってくれれば標準多め坂路で出走できそうな調教内容なので、最終追い切りには注目しておきたいと思います。
続いてダート。特に1800mでは乾いた状態でレースが行われたこともあり、一杯平均やスパルタといった「一杯に追われる」調教タイプの好走が目立ちました。
ちなみにマーチSでは、
ダイショウジェット／一杯平均トラック 13番人気2着
トーセンアーチャー／スパルタトラック 10番人気4着
ユウキタイティ／スパルタ坂路 14番人気6着
と人気薄ながら上位争いをしています。
特にトーセンアーチャーはサトノコクオーとの競り合いでハナ差負けてしまいましたが、実質2着争いをしていましたし、ユウキタイティは先行して直線半ばまで見せ場十分でした。
また3歳未勝利戦でも1日目2Rで一杯平均坂路のフレイムプリーストが勝って、一杯平均トラックのモリトキボウが2着で馬連14000円という配当がありました。
天候に恵まれたことでようやくクッション砂が8.5�僂砲覆辰晋�果が表れてきたというところでしょう。今週末も雨が降らないようであれば、同じ傾向が続くと考えてよいでしょう。
阪神では毎日杯が行われました。先週の当コラムでは「標準多め」への注目を記していましたが、その期待に応えてくれたのが標準多め坂路のゴールデンチケットでした。
前走が地方交流競走での勝利だったこともあって、12番人気と低評価でしたが、抜群のスタートを決めて直線は豊富な運動量を活かした粘り強い走りを見せてくれました。
また2日目の心斎橋Sは芝1400mと運動量はさほど必要ない条件ですが、1着一杯平均トラック、2着乗込坂路、3着一杯平均坂路という結果だったので、芝は確実にパワーが必要な状態になっていると思います。
この傾向から今週行われる重賞、大阪杯も運動量が重要なファクターになりそうです。詳しくは競馬総合チャンネル「速報！調教Gメン」で解説したいと思います。
最後にダート。これは毎週のように書いている「一杯平均」が引き続き好走を続けています。1日目陽春Sは1着一杯平均トラック、2着連闘坂路、3着スパルタ坂路で3連単が200万超えでした。
1番人気スリーアリストが調教本数不足の標準少めトラックだったこともこの波乱につながったと思いますから、1番人気が調教量不足の場合には、積極的に人気薄の一杯平均を狙ってほしいと思います。
調教Gメンとは？調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例：一杯)を確認するだけでOK。
調教コース＆調教タイプの考え方調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧＆イメージ図 netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中！どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。
前日の23:59まで指名OK！「POGダービー」はまだまだ参加可能！
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100％激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト：井内利彰ブログ
