今週は3歳牡馬のクラシック第一弾、皐月賞が行われます。

　中山芝はニュージーランドTの結果を見ても、少し時計が速い印象もありますが、6日目に行われた芝2000mの未勝利戦では、標準多めトラック主体のヘディングマキが2着に0.6秒差の圧勝でした。


　2着こそ標準少めトラックでしたが、3〜5着には乗込併用、乗込併用、乗込坂路という本数豊富な調教タイプが入着しており、運動量は必要な馬場であることは間違いなさそうです。

　今年の皐月賞展望も含めて、過去の調教傾向は競馬総合チャンネル「今週の調教Gメン」でじっくり検証したいと思います。

　先週の阪神では当コラムで取り上げた阪神牝馬Sが行われ、1番人気のポルトフィーノが軽目トラックという調教本数少ないタイプで惨敗しました。


　そして勝ったのは前年調教本数が少なくて負けていたジョリーダンス。今年は標準併用と調教本数を強化しての出走でした。牝馬限定重賞ではありますが、調教本数が重要なレースであることをあらためて教えてくれる結果となりました。

　またポルトフィーノの惨敗で注目したいのが「角居厩舎の阪神芝1400mは鬼門」という点。

　単勝1.4倍という断然人気だったディアデラノビアがこのレースで3着だったことや先日のフィリーズレビューでミクロコスモスが単勝1.6倍の支持を受けながら4着に敗れており、とにかく角居厩舎にとって阪神芝1400mは結果が出せない条件です。

　考えられる理由としては阪神芝1400mは坂路で速い時計を出せる馬が好走する条件です。テンから急いで走る能力が重要なレースでは、テンゆっくり折り合い重視の調教が主流の角居厩舎には適していないのでしょう。

　今後もフィリーズレビューや阪神牝馬Sなどを含む阪神芝1400m重賞では角居厩舎が人気で凡走する可能性が大きいと思います。

　そして桜花賞は競馬総合チャンネル「速報!調教Gメン」で注目データに取り上げていた「坂路で一杯に追われた馬」が勝つことはできませんでしたが、このデータに該当していたジェルミナルが3着という結果でした。


　またジェルミナルの調教タイプは標準併用で過去2年の3着馬と同じ調教タイプでした。

　外回りに改装されてから3年連続して同じ調教タイプが3着しているということは、非常に強力な調教傾向ですから、来年も標準併用には注目しておきたいと思います。

　さて今週も同じ阪神芝1600mでマイラーズCが行われます。過去2年の1〜3着馬の調教タイプは、

2007年
1着コンゴウリキシオー／標準多め坂路
2着スイープトウショウ／標準トラック
3着マイネルスケルツィ／馬ナリ平均併用

2008年
1着カンパニー／標準坂路
2着ニシノマナムスメ／標準トラック
3着エイシンドーバー／標準多め坂路

　2年連続で馬券圏内に入っているのが標準多め坂路です。ペースが速い阪神芝1600mでは、トラック調教の運動要素も必要となるため、標準多め併用が好走しますが、このレースに関してはペースが落ち着きやすいため、瞬発力(無酸素運動)に長けた坂路で本数多い調教をこなしている馬が好走するのでしょう。

　今年の出走予定馬で標準多め坂路に該当するだろう馬で狙ってみたいのがタマモサポート。この馬は放牧明けが走るタイプなので、前走後にリフレッシュ放牧に出されたのはプラスです。

　最後に先週から開催した福島についても触れておきましょう。特徴的だったのが芝1200mでの標準多めの活躍。

1日目 11R
7番人気1着　キルシュブリューテ／標準多め坂路

2日目 7R
8番人気1着　ファルクス／標準多め併用

　2頭とも先行して押し切るというレース内容だったので、開幕週らしい先行有利の馬場状態であることは確かですが、標準多めの運動量は必要な馬場だということでしょう。

　開催が進むにつれて馬場は荒れていく一方ですから、この傾向は今週末になれば更に強まるはずです。


調教Gメンとは？
　調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例：一杯)を確認するだけでOK。

調教コース＆調教タイプの考え方
　調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】　ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】　坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】　トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】　トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】　トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧＆イメージ図

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　どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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