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5連敗を止める標準多め

  • 2009年04月21日(火) 10時45分
 先週で中山、阪神の開催が終了。今週から東京、京都での競馬が開催となります。

 そして重賞は福島牝馬SにフローラS、アンタレスSが行われます。よって今週は福島牝馬SとアンタレスSの重賞攻略を徹底的に行ってみたいと思います。

 まずは開催3週目になる福島で行われる牝馬Sです。新設されて6年目になるので、過去5年の1〜3着馬の調教タイプを振り返りましょう。

2004年
1着 オースミコスモ(2人)/標準併用
2着 マイネヌーヴェル(10人)/軽目坂路
3着 メモリーキアヌ(8人)/標準多め併用
3着 エリモピクシー(5人)/馬ナリ平均トラック

2005年
1着 メイショウオスカル(1人)/馬ナリ平均坂路
2着 スターリーヘヴン(14人)/標準併用
3着 レクレドール(4人)/標準併用

2006年
1着 ロフティーエイム(7人)/連闘
2着 ライラプス(5人)/乗込坂路
3着 フィヨルドクルーズ(6人)/標準多め坂路

2007年
1着 スプリングドリュー(9人)/標準トラック
2着 フラッグシップ(4人)/馬ナリ平均坂路
3着 ヤマニンメルベイユ(2人)/標準併用

2008年
1着 マイネカンナ(3人)/標準併用
2着 ハロースピード(4人)/標準トラック
3着 ザレマ(1人)/標準坂路

 最も馬券で信頼できる調教タイプは標準併用です。過去5年で毎年のように馬券圏内に絡んでおり、5年トータルで該当出走馬の複勝率は50%を超えています。

 そしてもう一点、調教データから注目できるのが最終追い切り。最終追い切りの強さを3種類に分けた時の成績を見てみると、

ナリ/3-4-2-27
強め/1-0-3-13
一杯/0-1-1-22
※連闘はどのカテゴリーにも属していません

 ということで最終追いは軽ければ軽いほど成績が良いという結果に。福島への輸送、牝馬限定戦という状況から納得できる調教データです。

 今年の出走予定馬から、この2種類の調教条件に合致しそうなのがプロヴィナージュ。先週までの福島芝中距離のレース傾向からも逃げた併用調教馬が残る確率は非常に高いので、今週の追い切りを南Wで馬ナリという調教内容なら万全です。

 続いて京都ダート1800mで行われるアンタレスSです。このレースの特徴は過去5年で1番人気が勝てていない点です。

そんな過去5年の1番人気の調教タイプは、

2004年
2着 サイレンスボーイ/標準坂路

2005年
4着 ヒシアトラス/馬ナリ平均トラック

2006年
2着 ヒシアトラス/標準少めトラック

2007年
3着 メイショウトウコン/標準坂路主体

2008年
4着 フィフティーワナー/標準坂路

 というわけで本数が標準か少ないという調教タイプでした。逆に1着馬は3勝が「標準多め」なので、本数がある調教タイプが勝ち切れるレースだと言えるでしょう。

 現時点で出走の可能性があって、1番人気の可能性があるのは、前走マーチSで重賞初制覇を果たしたエスポワールシチーか昨年の覇者ワンダースピードです。

 中3週のエスポワールシチーはいつもの坂路調教ではなく、CWでの追い切りが1本だけ。本数自体も少なく、いつもとは違う場所での追い切りとなったので、やや疑問が残ります。

 同じく中3週のワンダースピードは昨年同様の併用調教。しかも今年は調教本数が増えているので、標準多め併用で出走することになりそうです。

 これらの中間の調教状況からすると、1番人気がエスポワールシチーなら連敗は続くと思いますし、ワンダースピードであれば、今年で連敗はストップするでしょう。


調教Gメンとは?
 調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
 調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧&イメージ図
調教タイプ一覧&イメージ図

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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