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メジロマイヤーの出現

  • 2002年02月14日(木) 00時00分
 幕をはね上げ、次から次へと登場する役者たち。ここまでのクラシック戦線は、重賞レース、オープンの勝ち馬をことごとく異にする凄まじさで、その勢いは止まるところがありません。
 きさらぎ賞を検分すると、今年の3歳馬のレベルの高さが改めて感じられます。
 3連勝のメジロマイヤーの1800m1分47秒6のタイムは優秀で、しかも、逃げて連勝したあとの今回は2番手で折り合ってのもの。せり合っての渋太さも見せ、朝日杯FS5着のアグネスソニックを寄せつけませんでした。
 アドマイヤドン、ヤマニンセラフィム、ローマンエンパイア、モノポライザーの3戦全勝の4頭がエリート集団で、これを追うグループがタニノギムレット、チアズシュタルクであり、これにメジロマイヤーが加わったというところ。互いにぶつかり合う3歳戦線が楽しみになりました。
 メジロマイヤーには、父がサクラバクシンオーで、母がメジロエルメスという純日本産というところに引かれます。これまで6戦、ダートの1200mで3回2着し、その後が芝で3連勝、連対を一度もはずしていません。
 現役時代に仕事請負人と異名をとった田島良保調教師の管理馬というのも、どこかメジロマイヤーの雰囲気に合っているようです。
 並んでも抜かせない粘り腰、いい根性をしているからの強さで、これから暖かくなってさらに成長をみせたときの姿がどんなか、風雲を急を告げるシーンを見てみたいものです。ラジオたんぱ杯2歳Sを渋太く勝ったメガスターダムが、スタートでつまずいてリズムをくずし、不完全燃焼に終ったきさらぎ賞でしたが、メジロマイヤーの出現で大きな収穫はありました。
 母はすでに他界している父内国産の遺児と言えば、如何にも人間的ですが、無敗のエリートに立ち向かう役どころにはぴったりです。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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