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標準多め併用を引き継ぐ

  • 2009年05月05日(火) 11時00分
 天皇賞・春は今週の調教Gメン、速報!調教Gメン(競馬総合チャンネルコラム)でも書いたように、標準多め併用のマイネルキッツが勝ち、波乱の結果となりました。

 前日の京都芝1600mで行われた朱雀Sでも標準多め坂路のスズカコーズウェイが勝っていたので、やはり今の京都芝外回りでは例年通り、運動量が重要な芝なのでしょう。

 今週の京都芝外回りでは京都新聞杯が行われます。ダービーへの優先出走権は発生しませんが、事実上のダービートライアル。とはいえ、今年は重賞を勝っていてもダービー出走が保障されるわけではないので、非常に厳しいダービー出走ラインとなっています。

 そんなレースになれば、より一層に流れが厳しくなり、運動量が鍵になってくるでしょう。

2004年
1着ハーツクライ(2)/馬ナリ平均坂路
2着スズカマンボ(3)/一杯平均トラック
3着ミスティックエイジ(1)/馬ナリ平均坂路

2005年
1着インティライミ(1)/標準多めトラック
2着コメディアデラルテ(5)/標準多めトラック
3着アドマイヤフジ(2)/標準坂路

2006年
1着トーホウアラン(3)/標準併用
2着アペリティフ(6)/スパルタ併用
3着マイネルポライト(5)/標準多め併用

2007年
1着タスカータソルテ(2)/標準併用
2着ローズプレステージ(8)/標準多め併用
3着サンライズベガ(9)/標準多め坂路

2008年
1着メイショウクオリア(2)/一杯平均トラック
2着ロードアリエス(9)/スパルタ併用
3着マイネルローゼン(6)/標準多めトラック

※( )内の数字は人気

 過去5年の1〜3着馬の調教タイプを列記しましたが、2004年のハーツクライ、ミスティックエイジを除いてはすべて標準以上の強さや本数の調教をこなした馬ばかり。

 その2004年は11頭立てと頭数も少なかったので、レースペースが落ち着き、運動量が必要なかったと解釈すべきでしょう。今年は登録時点でフルゲートになることは必至ですから、天皇賞春のように「標準多め」が好走するのではないでしょうか。

 特に標準多め併用は過去5年で2頭の出走しかなく、前記のマイネルポライト、ローズプレステージがしっかり馬券に絡んでいます。今年の特別登録馬ではアントニオバローズだけが今週の追い切りをトラックで一杯に追われれば、その調教タイプに該当します。プリンシパルSへの出走が濃厚のようですが、もし京都新聞杯に出走してくれば、今週の調教に注目してみてください。

 そして先週は新潟競馬が開幕。早速、調教傾向が表れたのは新潟芝外回りです。

 全5Rが行われましたが、そのうち4勝は坂路もしくは坂路主体の調教タイプ。特に2日目12Rのマイスターキングは6番人気で1着、単勝1340円という好配当でした。

 マイスターキング自身が上がり33.3秒を使っているように馬場状態は決して悪くありませんが、レースを見ていても砂煙が舞うシーンがあるように、芝が生え揃っているという感じでもありません。要するに少し力がいる馬場状態で、かつ瞬発力も使えないといけない馬場なので、坂路調教馬が好走するのです。

 今週は芝2000mの外回りで新潟大賞典が行われますが、ここ2年はブライトトゥモロー、オースミグラスワンと坂路追い切り馬が勝っています。今の馬場状態を考えても、坂路調教馬の3連勝に大きな期待が持てます。


調教Gメンとは?
 調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
 調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧&イメージ図
調教タイプ一覧&イメージ図

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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