NHKマイルCでは推奨していた「P追い」が好走できず惨敗しました。
本来なら敗因を分析しなければいけませんが、勝ち馬や2着、3着馬からすぐに思い当たることといえば「坂路で速い時計を出していた」ということくらいしかありません。
ただそんな馬場だからこそ、P追いは有利だと思ったのですが、スガノメダリストが伸びそうで伸びなかった点から「速い時計だけどパワーも必要」ということで坂路調教馬が有利だったのかも知れません。
しかし先週は先週。今週は東京芝1400mで京王杯SCが行われます。
私自身は近年のこのレースに対しての印象は非常に良く、馬券が的中している印象が残っています。ただそれ以上の過去に遡ると、的中した記憶はありません。
しかし、その原因がはっきりしたのは下記の過去5年の1〜3着馬の調教タイプを見た時でした。
2004年1着 ウインラディウス(2)/乗込トラック
2着 テレグノシス(5)/標準少めトラック
3着 フィートソーファスト(8)/標準少めトラック
2005年1着 アサクサデンエン(6)/標準トラック
2着 オレハマッテルゼ(5)/馬ナリ平均坂路
3着 テレグノシス(2)/標準トラック
2006年1着 オレハマッテルゼ(3)/標準坂路
2着 インセンティブガイ(5)/乗込併用
3着 テレグノシス(2)/標準トラック
2007年1着 エイシンドーバー(5)/標準多め坂路
2着 シンボリエスケープ(9)/乗込併用
3着 オレハマッテルゼ(3)/標準多め坂路
2008年1着 スーパーホーネット(2)/標準坂路
2着 キストゥヘヴン(6)/標準多めトラック
3着 スズカフェニックス(1)/標準多め坂路
※( )内の数字は人気
東京芝1400mの調教適性については、5月22日に発売予定の【「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ」〜馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる〜】の中で、
「スタートして下り上りのアップダウンがあるので、ダート1300mと非常に似た形状ではありますが、コーナーの入りがゆったりしているため、あまり激しいペースにはなりません。よって先行することに長けたスピード系の調教をこなしているような馬の先行押し切りは珍しくありません。」
と書きました。
つまり坂路調教馬に有利なコースだという考え方ですから、2004年から2006年まで馬券に絡み続けたトラック調教馬であるテレグノシスの存在が馬券を外す原因となっていたのです。ですからテレグノシスが出走しなくなった2007年は的中したんですよね。
ただ2008年になって再びトラック調教馬が連対します。それがキストゥヘヴンでした。
しかしここでは悩むことなく、この結果をすんなり受け入れることができました。それは「ポリトラック追い」だったからです。
坂路調教馬が強いということはスピード調教を行っていれば、同様の調教適性を持っていると判断すればよいので、芝もしくはポリトラック追いのようなスピード調教ならトラックで評価しないといけないという結論に達しました。
実際、2008年の京王杯2歳Sを勝った
ゲットフルマークスは標準トラック主体でしたが、芝追いで逃げ切りを決めています。
よって今年も坂路調教馬、もしくは芝追い、P追いを中心に予想を組み立てれば良いでしょう。
特に先週の結果を考慮すれば、坂路で速い時計を出せているパワー兼備の馬が理想的でしょう。
そして8日目に行われるヴィクトリアマイルについては
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」でじっくり解説したいと思います。
最後に条件別で超おすすめが京都芝1600m外回りの標準多め坂路。
先週の該当馬は7頭いましたが、
ニホンピロコナユキが単勝3380円で1着、
都大路Sではキャプテンベガ、マチカネオーラが2、3着となりました。
まだ昨年ほどの爆発力はありませんが、最終週ともなれば、芝1400m外回りでも同じく標準多め坂路が好走するはず。
7日目葵S、8日目洛陽Sでは積極的に標準多め坂路を狙ってみてください。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中! どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。