先週の日本ダービー当日は東京競馬場に観戦に行きましたが、午後からぽつりと降り始めた雨が13時すぎには豪雨に。その結果、芝レースでも、同じ距離のダートレースのような時計の掛かり方になるという極悪の馬場になってしまいました。

　よって調教適性以上に馬場適性が問われたように思います。

　札幌の洋芝、阪神の雨が残った芝で勝利経験のあったロジユニヴァースにはそれなりのアドバンテージがあったのでしょう。ただ厩舎もジョッキーも「本調子までは」という、状態が良化途上での勝利だけに、本調子ならどれだけ強い競馬ができたか分かりません。

　個人的にはこの一戦で秋の菊花賞は再び皐月賞の3強が人気を分け合い、面白い戦いを演じてくれるのではないかと今から楽しみにしています。

　さて今週は安田記念が行われますが、雨中で競馬が行われた影響がどこまで出るのか？このあたりが焦点になると思いますが、有力馬が差し脚質であることを考えれば、外差し馬場になるようであれば堅いレースになるでしょうね。

　このあたりも含めて、安田記念の見解は競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」「速報！調教Gメン」に記したいと思います。

　よってここでは、5日目に行われるユニコーンSについて解説しましょう。まずは過去5年の1着から3着馬の調教タイプです。

2004年
1着トップオブワールド(5人)／馬ナリ平均トラック
2着ダイワバンディット(2人)／乗込併用
3着パーソナルラッシュ(4人)／標準多め坂路

2005年
1着カネヒキリ(1人)／標準多め坂路主体
2着アグネスジェダイ(4人)／馬ナリ平均坂路
3着ドンクール(2人)／一杯平均トラック

2006年
1着ナイキアースワーク(4人)／標準多め併用
2着ヤマタケゴールデン(7人)／標準トラック
3着フィールドオアシス(5人)／馬ナリ平均トラック

2007年
1着ロングプライド(1人)／一杯平均併用
2着フェラーリピサ(2人)／標準坂路
3着ナムラジョンブル(7人)／標準多めトラック

2008年
1着ユビキタス(1人)／馬ナリ平均坂路
2着シルクビッグタイム(3人)／標準少めトラック
3着アポロドルチェ(6人)／標準併用

　昨年シルクビッグタイムが標準少めトラックで2着した以外は本数少ない調教タイプが全く馬券圏内に入れないレースです。

　過去5年の1番人気から3番人気に支持された、本数少ない調教タイプに該当した馬はシルクビッグタイムを含めて5頭いましたが、そのうちに馬券になったのがシルクビッグタイムだけというわけです。

　逆に標準以上の調教本数を消化していた人気馬は[3-2-1-4]ということで、かなりの確率で好走しています。これが示すのは「ある程度の調教を消化できていれば、能力通りの結果になる」というのがユニコーンSだと考えてよいと思います。

　実は標準以上の調教本数を消化していた1番人気から3番人気が総崩れしたのが2006年。この年の1番人気はダート戦初出走となるアエローザでした。

　ダートに全く実績のない馬が1番人気に支持されるということは、それだけメンバーの層が薄いということでしょう。仮にそのような状況になると、能力は横一線なので東京ダート1600mに強い標準多め併用が適性を発揮すると考えてよいでしょう。

　今年の特別登録馬を見ていると、初ダートで1番人気に支持される馬はいないでしょうから、上位人気馬がきっちりと調教を消化していれば、馬券的な妙味は少ないレースになりそうです。


　中京は今週から芝がBコースへの仮柵移動があります。中距離戦では標準多めや一杯平均といった運動量が豊富な調教タイプの好走が目立っていましたが、前残りになるのでしょうか？

　答えは「NO」。

　仮柵が移動しても、2008年の同時期中京開催では標準多めや一杯平均が好走しました。

　芝2000mで行われた関ケ原Sでは2着標準多め併用(4人)、3着一杯平均トラック(7人)が入り、勝ったのが1番人気キャプテンベガでも3連複6420円という中波乱となりました。

　よって今年の関ケ原Sも運動量豊富な標準多め併用、一杯平均トラックに注目してみたいと思います。


調教Gメンとは？
　調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例：一杯)を確認するだけでOK。

調教コース＆調教タイプの考え方
　調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】　ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】　坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】　トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】　トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】　トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。


調教タイプ一覧＆イメージ図

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