春のGIシリーズも安田記念が終了して、残すは宝塚記念のみ。しかし競馬は毎週続くわけで、馬券的な妙味はGIでも平場でも関係ありません。
特に今週の重賞、エプソムCとCBC賞は人気薄の好走も見られる馬券的に非常に面白そうなレースです。今週はこの時期に移行してから4年目になるCBC賞についてじっくり検証していこうと思います。
まず競走条件となる中京芝1200mですが、このコースに共通して適性の高い調教は坂路。今年の高松宮記念も勝ったローレルゲレイロを含めて、2着馬、3着馬も坂路調教馬でした。
それを念頭に置きつつ、過去3年のCBC賞1着〜3着馬の調教タイプを見てください。
2006年1着シーイズトウショウ(4人)/軽目坂路
2着ワイルドシャウト(2人)/標準多め坂路主体
3着リミットレスビッド(5人)/急仕上げ坂路
2007年1着ブラックバースピン(10人)/馬ナリ平均坂路主体
2着ナカヤマパラダイス(7人)/馬ナリ平均トラック主体
3着アグネスラズベリ(8人)/標準多めトラック
2008年1着スリープレスナイト(4人)/標準坂路
2着スピニングノアール(2人)/標準トラック
3着テイエムアクション(12人)/馬ナリ平均坂路
勝ち馬に共通しているのは高松宮記念でも好走している坂路ですが、2007年と2008年はトラック調教馬が連対しています。
2006年と近2年ではいったい何が違ったのでしょう?
それは前半3Fのペースです。2006年は33.3秒とハイペースだったのに対し、2007年は33.9秒、2008年は34.0秒と中京芝1200mの古馬重賞にしては落ち着いたペースになりました。
また2006年の前半ペースは今年の高松宮記念の33.1秒という流れに非常に良く似ています。だから同じように坂路調教馬が1着から3着までを独占したと言えるでしょう。
2006年のCBC賞も今年の高松宮記念もペースが速いからといって後方からの差し馬が台頭したわけではなく、ある程度の位置で競馬をした坂路調教馬が最後までしっかりした脚を使って好走したというわけです。
つまりある程度の位置につけてそのまま押し切る適性は坂路調教馬が高く、前半ゆっくり流れて後半勝負になるようだと、中京小回りの4コーナーをタイトに周回して加速できるトラック調教馬に適性があるわけです。
しかしペースというのは読みづらいもの。そこでペースに関係なくCBC賞で好走している調教データを記しておきます。
★最終追い切りを栗東坂路で最後の1Fが最速になるラップを踏んだ馬の成績
[2-0-2-2] 単回収率265% 複回収率295%
※ただし4F時計が53.0秒以下に限る
ラスト1Fが最速というのは、例えばスリープレスナイトのラップだと、「14.0-12.4-12.4-12.3」という具合に最後が12.3秒で他のラップよりも速いということです。
ちなみに複回収率で貢献しているテイエムアクションのように「14.8-13.2-12.5-12.5」と3F目と4F目のラップが同じであっても、その数字が他のラップタイムより速ければ、このデータに該当して集計しています。
終い最速のラップが踏めるということは「ある程度の位置につけてそのまま押し切る適性」が他の坂路調教より高いということ。
想像してみてください。坂路の傾斜が一番きつくなる部分で前半より速いラップが踏めるということは一番厳しい場面でしっかりと駆け上がることができているということ。そういう馬はCBC賞の流れになっても最後まで脚が上がることなく、ゴールを駆け抜けることができるというわけです。
但し書きとした「53.0秒」という数字はある程度の位置につけるためには、坂路全体でのスピード調教も重要だということを示しています。
よってCBC賞は坂路追い切りのラップの踏み方に注目してください。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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