東京、中京での開催が終了し、今週から札幌、福島、阪神での開催がスタート。今週は3つの競馬場の中から、福島にスポットを当てて今週末に役立つ調教分析をしてみたいと思います。
まず福島競馬場に対して重要なイメージは「コーナーリング」です。
その「小回り具合」は他のローカル競馬場と比べても群を抜いています。よって福島競馬場で重要なのはコーナーをタイトに周回することにあります。
コーナーで上手に加速してレースを進めることができるのがトラック調教馬です。昨年の同時期に行われた2回福島の芝レースは全12鞍(新馬戦除く)ありましたが、うち8勝はトラック調教馬でした。
他の競馬場で同じような勝ち馬の調教馬場を調べると、坂路調教馬の1着が半数以上を占めますが、福島に限っては「コーナーリング」の関係でトラック調教馬が有利にレースを進めています。
これは未勝利からオープンまで共通していることなので、今週末に行われる福島テレビオープンに関しても全く同じ。ちなみに昨年の1着から3着馬もすべてトラック調教馬だったので、今年も同様の調教傾向が続くと思われます。
あと、この時期になると未勝利戦で取捨選択を迷うのが「初出走馬」です。使い込まれた勝ち切れない馬よりも、素質はあったけど出遅れていた馬を買うべきか、買わぬべきかと考えさせられます。
しかし昨年の2回福島の未勝利戦における初出走馬の成績は[2-2-0-47]なので、連対率にしても10%ありません。
そしてこの連対した4頭には共通点があります。それが、
・調教本数は5本以上
・距離は1200m以下 です。
調教本数が4本以下で出走した馬は12頭いましたが、馬券になった馬は1頭もいませんでした。南Wや南芝で速い時計を出している馬で多少人気を背負った馬もいましたが、やはり4本以下の調教では運動量が不足しているということです。
1300m以上の距離(ダート1700、芝1800、芝2000)に出走した馬は28頭いましたが、こちらも馬券になった馬は1頭もいません。
1200mよりも長い距離になると、最低でもコーナーを4度回らなくてはいけません。福島の鋭角なコーナーをロスなく周回するためには調教でコーナーリングの練習をしていることが効果的と思われますが、美浦のトラック馬場で福島のコーナーリングが練習できるのは、形状的に北馬場と南馬場のAコースくらいしかありません。
しかし近年、この調教馬場を使って調教している馬はほとんどいないため、コーナー技術を要する福島中距離では初出走組が全く走れないのでしょう。
ですから福島で初出走組を買うなら1200m以下の距離で調教は最低でも5本以上行っている馬に限定しましょう。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中! どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。
|
待望の新刊が発売! 天皇賞・春の3連単22万1080円を6点で当てた調教捜査官・井内利彰氏の新刊『100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ 馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる』が、白夜書房から発売中です。
馬券で勝つための究極の作戦は「絶好調の馬だけを買うことだ!」と語る井内氏。調教欄から「馬の調子」と「厩舎の勝負気配」を見抜く方法に加え、主要コースの激走パターン、主要厩舎の勝負調教を公開しています!どうぞご期待ください!
>>netkeibaショップではこちらからご購入ができます
|
|
井内氏も寄稿のPOG本! 大好評の競馬王のPOG本が今年も登場!netkeiba.com、競馬総合チャンネルでお馴染みの常石勝義元騎手、井内利彰氏、栗山求氏、棟広良隆氏、山崎エリカさんが、リーディング上位の厩舎、調教師、ならびに大物オーナーにインタビューを敢行!
ファミリーナンバー付き2歳馬リスト、POG名人たちの最終結論に加え、アグネスタキオン産駒の一口プレゼントや『競馬王 POG』応募ハガキもついた充実の一冊です。どうぞご期待ください!
>>netkeibaショップではこちらからご購入ができます
|