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弥生賞勝ち馬

  • 2002年03月07日(木) 00時00分
 弥生賞を勝てば、その春の皐月賞、ダービー戦線の最有力馬と呼ばれます。今年は、バランスオブゲーム。このフサイチコンコルド産駒があらゆる検討の場面で姐上に載せられることになります。今からこの馬についてよく知っておく必要があるでしょう。

 心に思い浮ぶことと言えば、新潟2歳Sの直線で見せた素晴らしい反応、あっという間に抜け出した瞬発力でしょう。朝日杯FSでもその面が注目されましたが、結果4着。ソエで坂路中心の稽古しかできなかったことで不本意な状態だったと言われました。

 その点、弥生賞は、調整の中身がちがっていて、暮に先着を許したヤマノブリザードとの0秒2差は、さして気になるものでもなかったとも考えられます。

 それからもう一点、バランスオブゲームの気性、テンションが上がりやすい点がどう解消されていくかということが気になります。

 ひょうきんな田中勝春騎手は、巧くスローペースに持ち込んで逃げ切ったように見えたことについて、走っている最中でも盛んに物見をしてた、内馬場にいたカラスに気を取られるところがあり、それに助けられたと言っていました。ちゃんと走っているようでも、いつ、カーッとくるかわからないし、馬とケンカしても絶対に負けるしとも、彼らしい言い方で素直に語ってもくれました。

 弥生賞で勝てたことは大きな収穫でしたが、願わくば、前に馬をおいてレースができていればもっと自信が持てたということでしょう。ただ、中山向きの調整を積んできたからという宗像調教師の胸の内には、次に打つ手があるのではないかという思いもあります。

 とにかく超スローペースであった弥生賞の結果が、同じコースで行われる皐月賞にどんな形で影響を及ぼすことになるのか、最大の焦点です。別の先行馬の存在、これを待ち望むものが今年は特に多いように思えてなりません。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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