先週は「梅雨」を感じさせる天候での競馬となり、特に福島では馬場が荒れるという決定的な影響を与える雨となりました。5日目に「重」で始まった競馬が6日目には「良」に回復しましたが、これによって起こったのが「内壊滅」の状況でした。
実は私自身は「競馬予想TV!」の出演時に馬場が乾けば意外と内も外も馬場差のない状況が起こるのでは?と発言しました。
ところが6日目の競馬が始まると、天候のおかげで馬場が乾いてきました。しかし内は全く伸びない状況で、1Rから1番人気
コロラトゥーラが無残にもシンガリ負けする現実でした。
そして迎えた4Rは単勝1.9番で断然人気の
マッドマックス。
先行しても内を回るのかと思いきや、強気にタイトなコーナーリングで直線は内を突きますが、やっぱり伸びず。1.1秒差の12着は馬場の影響が大きかったことは否めません。
その後は逃げても直線に入る際に外目を選ぶ騎乗が目立ち、逃げ馬が失速するシーンは少なくなりましたが、とにかく外目を走れないとどうしようもない馬場には変わりありませんでした。
ただでさえ難しい福島芝ですが、今週はずっと雨が降り続くようなので、今週は外ラチ一杯を走らないと伸びないのでは?と大袈裟に考えてしまいます。
今週は七夕賞が行われますが、現在の福島芝2000mの傾向を重視すべきか、それとも過去の七夕賞に特徴的な傾向があるのか、そのあたりを
競馬総合チャンネル「今週の調教Gメン」で検証してみたいと思います。
このコラムでは阪神で行われるダート重賞、プロキオンSについて検証してみましょう。
まずこの時期の阪神ダートは冬場に比べて時計が速い、だから調教量があまり必要ないという状況になっています。そしてその状況は距離とも密接に関係していて、1800mよりも1400m、そして1400mより1200mの方が調教量は必要ありません。
よって1400mのプロキオンSも「標準多め坂路」や「一杯平均坂路」といった調教タイプの好走は見られません。逆に「軽目坂路」や「軽目トラック」といった調教タイプが馬券に絡んでくるケースが多く見られます。
その象徴として、プロキオンSの好走追い切りに「栗東Bコース追い」を挙げることができます。
京都で行われた2006年を除く、過去4年のプロキオンSに出走したBコース追い切りは11頭いましたが、その成績が[2-1-1-7]で複勝率は36%になります。そして単回収率は238%、複回収率は104%です。
これを開催時期が8日目に移行した2007年、2008年に絞れば単回収率も複回収率もぐんと上昇します。
数字の上昇は昨年の勝ち馬であるヴァンクルタテヤマの存在が大きく影響していますが、それ以外にも11番人気だったバンブーエールが4着した状況を考慮すれば、数字になっていないところでもBコース追いの調教適性の高さを感じました。
通常、Bコース追いというのは京都ダート1200mなど小回り適性が要求される軽いダートでの好走が目立ち、阪神ダートには縁のない調教です。ところがこの時期になれば、速い時計に対応でき、コーナーをタイトに回ることができるBコース追いは重宝するのでしょう。
個人的には
スリーアベニューが今週の追い切りをBコースで行ってくれれば、昨年から巻き返すことは可能ではないかと思っています。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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