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札幌ダートに学ぶローカルダート攻略法

  • 2009年07月14日(火) 12時00分
 先週で福島、阪神の開催が終了し、いよいよ本格的な夏のローカル競馬到来です。

 そこで今週は、例年と比べて調教傾向に変化が見えている札幌ダートについて回顧解説してみたいと思います。

 まず札幌ダートが例年と違うこと。それは好走する調教タイプの変化です。調教タイプといっても現地滞在が基本の競馬場なので、坂路調教や併用調教が好走しているわけではありません。

 これまでは「軽目」「標準少め」といった調教本数が少なく、強度も弱い軽い調教タイプが普通に勝つことができたんですが、今年は勝つことができません。

 2009年1回札幌のダート1700mにおける1番人気の調教タイプ別の成績を見てみると、

軽目     [0-1-1-0]
標準少め  [1-2-0-4]
急仕上げ  [0-1-0-0]

馬ナリ平均 [2-2-0-4]
乗込     [0-0-0-1]

標準     [4-1-1-1]
標準多め  [1-2-0-0]

※調教馬場はトラックに限定


 調教タイプを3区分してみましたが、

上部は「本数が少ない」
中部は「本数は標準以上だが強度が馬なり」
下部は「本数は標準以上、強度も強め以上」

と、分けるとその傾向は明らかで本数が少ないタイプは勝率10%、そして馬なりだけど本数が標準以上あれば勝率が22%に上がり、本数も強度も標準以上となれば、勝率は50%もあるわけです。

 札幌ダートがなぜここまで調教量が重要なレースに変化したのでしょう?それはクッション砂の厚さが8.5センチから9.0センチに変更になった点にあると思います。

 開幕当初から「0.5センチの砂厚調整でどこまで変化があるか?」と期待半分でレース結果を見ていましたが、これだけ勝率に差があれば「札幌ダートには調教量が必要」と言い切ってもよいでしょう。

 実は福島ダート1700mでも同じように調教本数が少なければ人気馬でも負けてしまい、調教量豊富な馬の人気薄でも好走するという調教傾向があります。

 もちろん砂厚調整は今週から開催する新潟、小倉でも行われています。

 開幕週だけに様子見をするということは大切です。しかし1番人気になりそうな馬の調教欄を見て、ローテーションより本数が少ない場合や馬なりの追い切りばかりであれば、3連単では2着3着の評価にとどめて、逆に本数の多い中位人気を1着に固定して見るといった馬券術も、頭の隅に置いてみてください。

 新潟、小倉のダートに関しては、来週の当コラムでどのような調教タイプが好走したのか責任検証をしてみたいと思いますので、そちらの方もぜひ参考にしてください。


調教Gメンとは?
 調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
 調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。


調教タイプ一覧&イメージ図
調教タイプ一覧&イメージ図

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。


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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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