今週は札幌芝1200mで函館2歳Sが行われますが、この条件は函館SSの時に解説したように調教量の必要ない条件です。
先週、札幌芝1200mで行われたオープン特別のUHB杯で馬ナリ平均坂路の
ウエスタンビーナスがゴール寸前まで逃げ粘り、軽目トラックの
モルトグランデが好位置から差してきました。
調教を豊富に行なっているから差せる馬場というよりも、勝ち馬
ピサノパテック、モルトグランデに共通する「札幌ダートの追い切りでラスト1F12.4秒以下」という調教項目がひとつの鍵を握るかも知れません。
インターネット馬三郎からの抜粋になりますが、ピサノパテックが12.4秒、モルトグランデは12.0秒というのが札幌ダートでの最終追い切りの1Fのラップです。コーナーリングが同じダート馬場で最後の1Fに「馬なり」でこれだけの瞬発力を使えることが今の札幌芝1200mに求められる調教条件なのでしょう。
ましてペースが緩みがちな2歳戦ともなれば、最後の1Fで脚を使える能力は重要になるはず。よって今週の追い切りを札幌ダートで行い、馬なりでラスト1F12.4秒以下の時計を出すことができた馬には要注意です。
続いて個人的な馬券の出来を大きく左右するローカルダートです。
札幌に関して、コラムで推奨したレースでは調教本数の多い馬で馬券を的中させることはできませんでしたが、「未勝利戦における標準多めトラック」は、
マスターコークが単勝710円、
デンコウヤマトが単勝2,840円と好走しています。
つまり基本的な調教傾向として標準多めトラックが好走できる馬場であることに変わりないということでしょう。
小倉は水分を含んでいた状態で好走が目立った「標準多め」でしたが、馬場が乾いて「一杯平均」も上位争いするような馬場になっています。ダート1700mで行われた響灘特別では一杯平均坂路の
プロフェッショナル、
チャームナデシコの決着。3着に標準多めトラックの
メイショウゴルゴという結果でした。
また6日目12Rの3歳上500万下では標準多めトラックの4番人気
ローザレーヌが2着、一杯平均トラックの11番人気
オメガクエストが3着ということで、好走する調教タイプに明らかな偏りが見えてきました。
今週以降は小倉に滞在して「馬なり」で調教を済ませる馬が多くなると思いますが、そういった軽い調教よりも「スパルタ」を筆頭にした調教量の多い調教タイプが好走できるパワーの必要な馬場であることは間違いないので、小倉ダート1700mにおける馬券の組み立てはスパルタ、標準多め、一杯平均を中心にしてください。
新潟は500万下より上のクラスで行われたダート1700mが5日目の最終レースしかありませんでしたが、このレースは標準多め坂路と乗込坂路の決着でした。
未勝利戦でも乗込トラックが勝つレースもあったので、やはり新潟では本数を重視すべきでしょう。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中! どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。