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今週の動きを要チェック

  • 2009年08月11日(火) 20時30分
 今週は札幌でクイーンS、小倉で北九州記念が行われますが、当コラムでは札幌芝1800mで行われるクイーンSを分析したいと思います。

 まずは過去5年の好走馬の調教タイプを見てみましょう。

2004年 クイーンS
1着 オースミハルカ(5)/標準併用
2着 エルノヴァ(6)/乗込トラック
3着 ヤマニンシュクル(3)/標準トラック

2005年 クイーンS
1着 レクレドール(5)/標準トラック
2着 ヘヴンリーロマンス(10)/標準トラック
3着 チアフルスマイル(3)/標準トラック

2006年 クイーンS
1着 デアリングハート(3)/標準トラック
2着 ヤマニンシュクル(2)/標準トラック
3着 レクレドール(7)/標準トラック

2007年 クイーンS
1着 アサヒライジング(2)/軽目トラック
2着 イクスキューズ(6)/標準トラック
3着 ディアチャンス(5)/標準トラック主体

2008年 クイーンS
1着 ヤマニンメルベイユ(2)/標準トラック
2着 レジネッタ(1)/標準少めトラック
3着 フミノサチヒメ(12)/標準少めトラック


 2004年から2006年までは調教本数は必ず標準以上必要という傾向がありました。

 例えば2004年の1番人気オースミコスモは標準少めトラックで7着、2005年の2番人気ダンスインザムードが標準少めトラックで8着、2006年の1番人気マイネサマンサが急仕上げトラックで8着という具合に「人気馬+調教本数不足=凡走」という方程式が出来ていました。

 ところが2007年以降はご覧のように軽目トラックが勝ち、標準少めトラックが馬券圏内に入るという一変の調教傾向になりました。

 これに今年札幌芝1800mで行われた1000万下以上の4レースの勝ち馬の調教タイプを調べてみると、3勝を挙げているのが標準少めトラックだったことが分かりました。

 3頭はすべて3番人気以内だったので「上位人気するだけの能力(スピード)があれば、本数が少なくても通用する」というのが近年の札幌芝1800mなのかも知れません。

 また先週の函館2歳Sを勝ったのが軽目トラックの1番人気ステラリードだった点からも、「変則開催の馬場で調教量よりも自身のスピード能力が問われる馬場」という見方で今週のクイーンSも予想に取り組むべきかも知れません。

 その方法のひとつとしては、クイーンSに出走を予定している馬の追い切りVTRを見ること。「えらいええ動きしてるなあ」と直感できるような走りなら、たとえ調教本数自体は少なくても、その馬は今の札幌芝に非常に高い適性があると思います。

 特に上位人気に支持されそうなブラックエンブレムヤマニンメルベイユレジネッタあたりの動きは忘れずにチェックしてみてください。


調教Gメンとは?
 調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
 調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。


調教タイプ一覧&イメージ図
調教タイプ一覧&イメージ図

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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