アドマイヤコジーンが完全に復調した。というよりこの馬、骨折や脚部不安だけが長いスランプの原因ではなく、なまじ1600mの朝日杯3歳S(当時)を勝ってしまったため、マイラーに近い中距離型と思われ、2000mなどに出走することが多かった。しかし、本当はスプリンターに近いスピード型だろう。
というのは、スランプ時、試みに1200mの昨年の阪急杯に出走したところ、休み明けでやや消極的に乗ったにもかかわらず、当時のエース格だったダイタクヤマト、ブラックホークとまったく差のない3着だった。
6歳の今年、気にしていた脚元の不安も解消したとあれば、その阪急杯を今年は1分07秒9(33秒5-34秒4)で楽勝したのも少しも不思議ではない。もともとそういうスピード型だったのだ。本調子を取り戻したいま、もっと高いレベルの1200mのレースを期待してもいい。デキは文句なしだ。
芦毛のコジーン産駒は、カロ、フォルティノとさかのぼる父系らしくさまざまな距離適性をもった馬を送るが、日本でのコジーン産駒というと、かつて1分06秒9の日本レコードを出したエイシンバーリン、1400mだと毎回1分20秒台で乗り切ってみせるゴッドオブチャンス、そして昨年新潟の1000mの直線で連勝したエイシンコジーンなど、スプリンタータイプが多い。
またこのグレイソヴリン系の産駒の特徴はフルにスピードと切れ味の生きる平坦コースが抜群に得意なことだ。
十分に、トロットスター逆転可能とみる。先行できる強みがあるからだ。穴で怖いのはエアトゥーレ。母は典型的なマイラーだったが、一連のレースをみていると、坂路のインターバル・トレーニングで強くなったこの馬は、スプリント能力十分の可能性がある。