長いスランプを続けたザカリヤ。ただしこれにはいくつも理由があり、ひとつは3歳の春にNHKマイルCを2着。キャリアの浅い当時に激走しすぎてしまったことだ。この反動は大きく、NHKマイルCで3着以内に好走した馬は、創設以来6年間18頭、その後はことごとく負けているという恐怖のデータがある。また、3歳秋はG1ばかり、相手も強かった。
4歳時はこの馬、脚部難で出走していない。昨年の5歳時は勝てなかったが、京成杯AHを1分32秒5で善戦したり、58キロの富士Sを1分33秒7で乗り切ったりするなど、決して着順が示すほどの成績不振でもない。
6歳の今年、前走はマイルで3着。うまく流れに乗って進み、勝ったミレニアムバイオとはたったの0.1秒差だった。非力にみえた馬体もひと回りたくましくなり、目立たないながら完全に復調している。
今回はハンデ戦で55キロ。また金曜日の雨の影響もあって、少し時計のかかるコンディションになっている。
3歳春にニュージーランドTを制したときが重馬場。巧者というほどではなくとも、時計のかかる芝は合っている。
絶好調なトラストファイヤー、芝で一変したグラスワールド本線に、ハンデ戦だけに少し手を広げたい。
大阪杯は2000mで57キロなら、サンライズペガサスの切れが上回っている。前走は早めに強引にまくったが、今度はそうはスローにならず、タメての切れがフルに生きる。天皇賞(春)を目標にしているがステイヤーではなく、ベストは中距離だ。